アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

判決2

〔ノア視点〕



ニミル様は…まだ、10歳なのですが…。
本当に二妃様にソックリ。
将軍様には似てない容姿です…。
何故か…江戸時代の喜多川歌麿辺りの浮世絵美人に似てます。

髪型まで同じです…。
まるで二妃様の生き写しですわ?
これでは…将軍様が疑うのも仕方ございませんわ?
だって、洋服まで・…全身銀装束で、二妃様に顔もソックリなんですもの・・・。

正式に即位が決まるまでは、イチミル様もニミル様も将軍服は着れない規則です。
それまではイチミル様は金の衣装、ニミル様は銀の衣装…。
今年、処刑されたミミル様は…銅の衣装でしたわ?
それから、現在…ミルル様は平民と同じ、黒衣装ですわ?

ミルル様はまだこの邪神国で正式な位が決定してないのです…。
本当なら、戸籍上は3男…ミミル様亡き現在。
ミルル様の衣装は銅衣装に変更しても良いと思うのですが…。
外野席がうるさくて…。

因みに将軍様の3番目の妃様、サン妃様については…浮気が発覚し、このたび…DNA鑑定の結果、サンミル様が将軍様の実子ではないと発覚したので、サン妃 様とサンミル様が処刑されたのは…最近の出来事ですわ?

あれ以降、あまりにも似てないこのイチミル様、ニミル様に対して…民衆が不信感を持ってるので…。
王族内では、イチミル様とニミル様の整形手術を施そうかと言う話まで出ているのです…。
毎日、緊迫してますわ?



//嘆かわしいですわ。
情けない!
ミルルはニミルの敵です!
ミミルは我が息子、ニミルの姉と言えども…敵です!
理解してますの?
ニミルは!!
生きて返す訳にはいかない人材なのです!
納得なんていきません!!//

++
陳にはまだ難しいのじゃ、陳はまだ10歳。
ミルル姉さんは・・別に…。
ターシャ国へ帰してあげても別に良いのじゃ。
殺すのは可哀そうなのじゃ
++

+ニミルや、やはり…麻呂の弟よのう…考えが似ておる。
それは麻呂も同意よのう…。
麻呂は別に返還しても良いのじゃ。
昨日、ターシャ国から16億タ$の資金が邪神国へ動くかもしれない話なら聞いておる。

それから…ただ、父上が位を与えるために麻呂と婚姻を結ぶことを斡旋するなら…それは間違いなのじゃ。

古代では流通してたことも麻呂は知ってるのじゃが…。
ミルル姉上は自由にしてあげて欲しいのじゃ。
政治の道具や資金集めのために政略結婚をさせ、伯爵家へ嫁がせずに…。
麻呂はそう願うのじゃ+

\偽善者面してなさけない!
ワラワは…我が息子、イチミルに失望してるのじゃ!
牢屋へ数日、監禁するのじゃ!\

+怖いのじゃ、イチ母上…。
許してほしいのじゃ…。
麻呂は血が通ったイチ母上には…甘いのじゃ…。
逆らう気なんてないのじゃ、麻呂をゆるしてけろ+

〈そうかい…。
ボクとしては良い線と思ったが…。
イチミルとニミルは顔だけではなく、性格までボクに似てない…。
それから…イチ妃、二妃…。

キミたちは…現在、宦官を買って英雄詠歌を味わってるようだね?
本当にボクの子かい?
一度、DNA判定をした方が…〉

将軍様の顔立ちは…やはりミルル様に似て、代々の王家そのものの顔立ちです。
細い顎に細い鼻筋に涼しげな目元…褐色の肌。
とにかく、問題なのは…息子2人、イチミル様とニミル様が…あまりにも将軍様に似てないんです。
これは私だけではなく、邪神国民なら全員が噂してますわ?

因みにさすがに…イチ妃様と二妃様も遊女上がり。
不細工ってことはないんです…。
ただ、あまりにも似てないんです・・。


\何をおっしゃるのじゃ。
ワラワを将軍様は疑うのかえ?
イチミルは…ワラワと将軍様の子なのじゃ…\

//そうなのです。
あたくしと・…将軍様の息子ですわ、ニミルは…//

〈本当だろうかね?
サンミルの件があったからね…。
ボクとしてはDNA判定をするのは乗り気ではなかったんだよ?
でも、キミたちが言うとおりにしてみれば…。
この結果だ。

対して、キミたちの子は…判定結果は大丈夫とは出た。
しかし、キミたちが医者へ依頼したわけだろう?
幾らでも偽装が出来る訳だ…。
ボクからの依頼で再度、調べた方が…〉

\良いのじゃ!
ワラワには自信があるのじゃ!
将軍様がワラワのことを疑うなんて…酷いのじゃ!
イチミルは…ワラワと将軍様の愛の結晶なのじゃ!\

//そうですわ?
ニミルは…あたくしと将軍様の子…。
あたくしは…ミルルこそ、疑ってます。

それから…憎き…ターシャ人の血を引く卑しい鬼畜タ。
少し、我が国の情報を知り過ぎですわ…。
ミミルこそ、処刑をなされた方が…。
鬼畜タの血を引くなんて、なんと卑しい身分…//

〈ミルルね?
可愛いんだけどね?
性格は確かに…完全に僕ソックリとは言えない…。
でも、容姿が少し似ててね?
ボクに似てるとよく言われるんだよ?
見てみると…ボクに似てるのかどうかは分からないけど…。
イチ妃やニ妃より美しい子だよ?
ハハハハハハ…。
ボクは全員から褒められてるのかな?
ハハハハ〉


こんな感じに続いています…。
因みに将軍様の目の前ではイチ妃様と二妃様は猫を被ってます。
もう少しして、将軍様が邪神会議から退室したら…。
途端に化けの皮が剥がれて…豹変しますわ。
その瞬間は…想像絶するほどですわ…?

〈キミたちは本当に聞き分けがならないね?
特にイチ妃と二妃…。
ボクはキミたちには失望してるよ…
キミたちとボクの意見は合わないらしい、本当なら処刑をしても良いところだが…。
邪神会議の続きはキミたちですれば良い…〉

こうして、将軍様は冷たい目線をイチ妃様と二妃様へ送って、会議室を退室しましたわ?
ここから多分…本当の邪神会議が始まるのです…。
私はフッ…と口元に笑みを浮かべましたわ?

☆☆☆

//あたくしはアンナ、誰とでも寝てもOKっと宣言するような売女。
王家とは認めませんわ。
ハハッハハ//

\そうなのじゃ、さすが…鬼畜タ。
何回、規則を教えても…覚えないのじゃ…。
せいぜい、兵士に強姦でもされてば良いのじゃ…。
だって、フード外して…歩くのじゃぞ?
あり得ないのじゃ・…\

//将軍様の前では声大に出来ないのですが…。
あたくしとしてはミルルなんて殺しても良いですわ?
ハハハ//

\そうなのじゃ!!
ワラワの時代を揺るがす奴は敵なのじゃ!!
将軍様の手前、猫は被ってるが…。
将軍様に反抗することはすなわち…死罪…。
ワラワも慎ましいしとるが・・・。
ミルルは血祭りで良いのじゃ!!
ワラワこそ、殿上人なのじゃ!!
民もワラワにひれ伏すが良い!\

褐色に焼けた様な平安女性風の顔立ちをしたイチ妃様が…だんだん般若のような表情へと変貌しています。

//先に息子、イチミルを産んでるからと言って…。
図に乗り過ぎなんじゃないですの?
ニミルこそ、正統なる血筋…。
ホホホホホ。
まあ、喧嘩は止しましょう…。
ここにいる皆さんは…手を上げてくださいね?
ミルルを殺すのに賛成の方!//

[アッシは…遊女で…。
イチ妃も二妃も気に食わないし…。
邪神会議でも発言権はないわけだけど…?
今回ばかりは協力しても良いわよ?
ターシャ国へこのまま返す訳にはいかないでしょう?]

[ワタイもね?
殺しても良いわよ?
ちょっとあの女、目障りだわ。
共犯なんてどうかしら?]

[ワタクシも同感ですわ…。
これほどまでに…今まで意見が一致したことなんてあったでしょうか?
邪神会議で・・。
気が合いますね?
フフフフフ]

[アタチもよ?
アタチの長刀の腕は凄いのよ?
だって、毎晩…藁人形相手に…長刀で切り裂いてるからね?
あの女…気が食わないわ…ハハハ。
16億タ$の返還金はありがたく頂戴して、処刑の実行しても良いわよ?
毒を盛ってから…平和国へミルルを渡すって言うのはどうかしらね?
数日後に死ぬ毒でも良いわ…]

[ワレは…この毒蛇、ペットのグリーンで…ミルルをけしかけるわ?
ワレ達…馬が合うわね?
ククク…]

\ワラワも…はあい♪なのじゃ…\


この調子で…、二妃様が号令をかければ…。
実に二妃様と合わせて、9名の方が・…手を上げて意見が一致したようですわ?

それに反論をなさるのは…。
不憫なことに、イチ妃様の息子…イチミル様と、二妃様の息子…ニミル様。

+イチ母上…。
麻呂にはミルル姉上が悪いように思えんのじゃ。
イチ母上はなして、そんなにミミル姉上に冷たいのじゃ?+

++
陳も今回は…弟のイチミルに賛成なのじゃ…。
陳は、午後の邪神会議にも参加しとるがの…。
あそこではミルル姉さんはアイドル状態なのじゃ。
ターシャ国への返還金16億タ$はありがたく頂戴して、この国で大歓迎してこれからも暮らすと言う話まで出ておる。
母さんや遊女たちも…もう少し、ミルル姉さんを歓迎してほしいのう。
父さんも怒ってるのじゃ…。
++

イチミル様とニミル様はこのように…ご反対をなさってますわ。

\うるさいのじゃ?
我が息子…イチミル?。
さあ、やる気のある方は…。
ワラワが…この邪神会議の床に長刀を使って、円を描いたのじゃ?
これをミルルと思って、この長刀で床を差すが良い。
誠意を見せるのじゃ!

ハハハハ。
まず、よく見ておれ?
我が息子、イチミルや?
ワラワが…床をミルルと思って、差すのじゃ!
全てはイチミルのためなのじゃ!

ウギャャーーー!!\

イチ妃様は奇声を発して、床をめった差しにしましたわ?

それから、肩で息をして、腕で顔にベッタリと着いた汗を拭き、その光る長刀を次は二妃様に渡しました。

//久しぶりに血が踊りますわ!!
さあ、見てらっしゃい。
あたくしが・…。
愛する息子、ニミルの代わりに、ミルルを…。
手にかけますからね?

キエエーーー!!//

二妃様もイチ妃様同様に、床に描かれた円へ向かって、長刀を何回も振り下ろしました。
その表情はまるで狂乱同地…。
鬼面のようですわ?

私ですら、ちょっと…ここから退室したいと願いますわ…。

このあと、遊女さまたち6名も同様に続くのですわ?

[さあ、二妃!!
次はその長刀を…アッシへ貸してくれないかしら?
アッシも床をミルルと思って、切り裂きまくるわ!]

[次はワタイよ!
抜け駆けしないでちょうだい!]

[ワタクシに貸しなさい…。
もっと、力を込めて…してやるから…?
床はボロボロになって来たけど…。
長刀にはヒビもイってないじゃない?
力が足りないんじゃない?]

[アタチだって、してやるわよ!!
ホラ…!
早く、渡しなさいよ!
その長刀!!
長刀に関しては女性で・…邪神国一なんだからね?
フフフ]

[ワレが一番若いからって舐めないでちょうだい!!
早く貸しなさいよ!!
その長刀!!
で…。
ノアは…この期に…及んで…どっち派につくつもり?]

---シャーーー!ーーー

一番若い遊女さまの首にいるモスグリーンスネークが…。
シャーと威嚇を始めましたわ。

〔えっとですね…。
私は産後で体調が悪いため、退室させてもらいますわ?
ホホ…。
それにもうそろそろ、ミルル様へ朝食を運ぶ時間ですし・・。
将軍様から承った職務ですので…。
邪神国万歳、将軍様に幸あれ?〕

[そう言えば…。
ノアは妊娠してたけど…流産したんですってね?
アッシ聞いたわ…。
良い度胸ね…・
邪神国万歳、将軍様に幸あれ…]

[それなら…仕方ないわね?
ミルルによろしくね?
うふ…。
邪神国万歳、将軍様に幸あれ]

遊女さまたちや妃様たちが一瞬でこちらを睨んできましたわ?
私はすぐさま、そこを去ることにしました。
将軍様の息子…イチミル様やニミル様に関しては…ほぼ、半泣きな表情ですわ?
息子様たちは誰に似たのか…弱気で…。

私はこれから…ミルル様のために朝食を運ばなければなりませんの・・。
実は…ミルル様がこの国へ来た日から…これがずっとですの?
昨夜未明…ミルル様の返還金16億タ$がターシャ国政府から払わることが決定したと言う話なら…今、聞きましたわ?
将軍様と普段から接近なさってる妃様や遊女様達は既に知ってた様子ですが・…。

余計に今日の会議は大荒れですわ?
私ほど、人間が出来てる者もいないと思いますの?

それにしても…邪神会議って…私、猛烈に参加できることについては憧れていたのですが…。
もうあれでは…童子の喧嘩レベルですわ?
いいえ、童子がしない分、喧嘩については…余計にタチが悪い。
あの会議のために国民から税金を搾取してる訳ですが…。
実際は政治より、もう喧嘩だけですわ?
さすがに邪神国民にはあの映像は流せませんわ…。
殺意に満ち満ちた会議内容ですわ?

☆☆☆

時刻が過ぎ去るのは早いもので…7時頃、ミルル様へ朝食の準備を持って参りますわ。
その時に…私は5階の厨房へ向かう訳ですが…。
その時に、コックさんから声を掛けられましたの?
まあ、私はこの軍内ではモテますからね?
黒装束衣装なので…瞳と声だけしか相手には伝わってないわけですが…。
それでも、私だとコックさんは分かったようですわ?

褐色な肌とつぶらな瞳、サンタクロースのように長いちょび髭と黒く太い眉毛…。
白いコック帽子と料理服を着た割りと腕の良いコックですわ?

[今日の俺ッチの料理は…。
サボテンの山羊バター炒めさ?
にしてもさ…。
昨日、俺ッチの知らねえ声と瞳が黒で…。
そうだな?
ちょっと見えた肌が…白めだった気がする。
もしかして、あれがミルル様なのか?
俺ッチはまだ一度も会ったことがないが・・。
ノア大佐は知ってるのか?]

〔あら?
ミルル様がここへ?
いつの時間帯ですの?〕

[そうだな…。
昨日、ノア大佐が朝食を持って来て…。
そのあと、ミルル様の分と、ノア大佐の分の食器を返却した時より後だ。
暫くして…ノア大佐と同じぐらいの身長な新入り女性が頭にフードつきでやって来た。
あとから…ずっと考えてみて。
昨日、軍内で流れてるミルル様隠し撮り写真を…俺ッチも夕飯、食べた後に買ったんだ…。
それでピーンと来たんだ。
そうなのか?]

〔どうでしょうか?
その時間帯なら…私はちょうど、仮眠してましたわ?〕

[そうか…。
その時、部屋にミルル様はいたのか?
ミルル様は棺桶部屋に幽閉されてあまり出歩かないように将軍様が引き止めてるって言う噂だが・・。
まさか、昨日出会った女性がそうなのかと…。
俺ッチ不思議に感じて…。
違うかったのかな?]

〔まあ、今日…聞いてみても良いですわ?
ミルル様に…〕

[そうか・・。
昨日、しきりと見知らぬ女性からゼロに関することで聞かれてな。
いかにも怪しい雰囲気だから…警戒してたんだ。
まあ、ミルル様だったら、良かったな。
あれが噂の将軍様の隠し子なのか気になってな?
俺ッチの興味で聞いてみたんだ]

〔そうですか…。
私としてはミルル様、女帝推しなので…。
ミルル様、隠し撮り写真流通については容認してますわ?
コックさんも買ったのですね?
助かりますわ…。
もう、イチ妃と二妃の説得で私は毎朝、大変なので…〕

[ノア大佐も大変だな。
応援してるからな?
俺ッチはもちろん、ミルル様のことを…]

〔邪神国万歳、将軍様に幸あれですわ…。
じゃ、ココにサインをお願いしますわ?〕

[これは何だ?
ノア大佐…。
んん?
ミルル様女帝に賛成しますって紙に書いてある…。
下に名前を書く欄まであるが…。
誓約書なのか?
俺ッチの名前をここへ書けと言うのか?]

〔そうですわ?
コックさんのお名前…”コック”とこの署名書へ書くだけで…。
ミルル様の御命が救われるのです…。
邪神募金だと思って、サインしてください。
このままではミルル様の御命が危ないことはご存知ですか?〕

[それは大変だ。
俺ッチ、サインするから…。
コックと書くだけで良いのか?]

〔そうですわよ?
簡単なことでしょう?
ホラ…ここにサインと…。
この箱へ…1人500〜1000邪$入れるだけで…ミルル様の御命が救われるのです…。
代わりと言っては何ですが…ターシャ国で女優として活躍もして、将軍様の隠し子でもあるミルル様の髪の毛を1本、進呈しましょう。

これは列記としたミルル様の髪の気ですわ?
昨日、ミルル様が王族専用の温水プールで入った後に…浴槽に浮かんでた毛ですわ?
もしかしたら…下の毛かもしれませんよ?
頭の髪かもしれないし…どこの髪かもわかりませんが?
高値で売れますよ?〕

[分かった、書くから…。
500邪$だけで良いのか?
1000邪$でも良いぐらいだ…。
で、何名の署名が集まったんだ?
ミルル様…まさか…イチ妃様と二妃様に殺されるのか?…]

〔まあ…ザッと合して…100名近くは獲得できてますわ?
でも、これからまだまだ増えるでしょうね?
フッ。
それでは邪神国万歳、将軍様に幸あれですわ?
あ…山羊のミルク、氷は大目にもらえませんかね?〕

[分かった。
頑張れよ、ノア大佐。
ミルル様はアイドル状態だ]

☆☆☆

私は2人分の料理が乗ったお盆を持って、ミルル様が暮らす6階最奥…棺桶部屋へと向かいましたわ。
ミルル様はアイドル商法としても利用できるようですわね?

ミルル様の毛に関しては…嘘に決まってます。
まあ、ミルル様の毛か・・遊女さまの毛か・・。
こうなれば、ハッキリ言えば…分からないのですが…。
この国に娯楽が少ない分…引っかかる男性の多いこと。
私はニンマリですわ?

お蔭で今年の夏は…黒邪神パンにもう1本、ありつけそうですわ?
フフフフフフ。

エレベーターは冷房が効いて涼しく、しかも椅子まで完備されてて…。
私はココに座るのが唯一の癒しですの…。

それにしても…まあ、今の調子で行けば…。
女性連中からミルル様女帝案へサインを戴くのは難しそうですわ?
男性からサインを戴くしかありませんね?
来年の夏も私は涼しい部屋で過ごせればいいのですが…。

今年はなんと、女性寮への入室まで決まって・…大出世も良いところですわ。
私としてはカモネギなんですがね?
ただ、妃様たちや遊女さまたちと板挟みなのが…大変で。

☆☆☆

部屋に到着すると…。
今日はミルル様、いつもより元気がない気がしますわ?
というか…。
私は昨晩…、ミルル様の部屋でほろ酔い気分になって…気持ち良く、うたた寝をしてたのですが。
突然の憎き乱入者ゼロに場所を奪われたんです。

私には正直、ヤツの考えは読めませんわ。
どうせ、ミルル様を体で落とすなどと卑劣なことしか考えてないでしょうね?
まあ…。
ミルル様はお嬢様なので、気が付いてないようですが…。
本当にゼロと私は馬が合わないというか…。
同族嫌悪ですわ?

≪ミルル様、朝食の準備が整いましたよ?
今日はサボテンの山羊ミルクバター炒めと。
ナンと、山羊ミルクですわ?
デザートに山羊ミルクゼリーまでありますわ?
コックさんが天塩を掛けて作りましたわ?
ササ、お召し上がりになって下さいませ≫

棺桶部屋と言えども…さすが、王室。
冷房は効いて、カラオケ専用のモニターテレビ。
それから、扉の付近には何故か王家のお墓が並び、

中央には巨大なベッドがある…6畳ぐらいベッドだけであるかしら?
他には…巨大なテーブルに椅子が6つはある。

ソファーもあるし、涼しくてココは快適ですわ?
シャンデリアも光ってますしね?

ミルル様は惚けたようにベッドで横になってます。
これは…まさか…私としては恐れていた展開へ突入したのでしょうか?
考えを振りめぐらしました。

〔ミルル様…どうなされたんですか?
今日は口数が少ないですが…。
ゼロとは別れたんですよね?〕

私としてはゼロは邪魔者でしかありませんわ!
私こそがミルル様唯一の側近としてのし上がり…これからも寵愛をいただく気ですわ?
このベッドで今夜、眠るのは私ですの。
だって、女子寮は猛烈に暑い。
29度弱までなんて、私に耐えられるわけがないです!

しかも、あの遊女さまたちと同室で板挟み。
私は嫌に決まってます。
根性で、ゼロとは別れさせます!
その方がミルル様にとっても身のために決まってます!

≪えっとね…。
ノアはゼロさんのこと、どう思ってるわけ?≫

〔そうですね?
彼の考えなら…筒抜け状態ですわ。
どうせ、ミルル様を体でもって蹴落とそうとするスケこましですわ?
お良しになられた方が〕

≪そんなわけないわよ。
ミルルはね?
ゼロさんのこと、信じてるんだから…。
えへ?
聞いてくれないかしら?
ミルルに何があったと思う?≫

ミルル様の眼鏡の奥が…夢心地な瞳。
私は大きなため息を吐きました、だいたい…。
何が起きたのか…見れば、すぐにわかります。

というか…あまりにもミルル様が分かりやす過ぎなので…。
ミルル様はベッドに寝転がったまま、口元がずっとニヤケテらっしゃる。
私としては…この部屋で今夜も寝たいので。
邪魔がしたいだけなんです。
というか、ゼロの考えは私には本気で読めませんわ?

〔ミルル様…ヤツの策中に落ちたのですか?
奴は…スケこましですよ?
女性の扱いには…慣れ過ぎてます。
安易に体を繋げたからと言って信用なさらない方が身のためですわ…。
私ですら、ゼロの考えは全く読めないので…。
彼、女性なら基本…誰にでも優しいですよ?
特にミルル様は王族の娘、媚びへつらって当たり前だって思いますよ?
少しぐらいは警戒した方が良いと思いますわ?〕

≪本当に、ノアは性格が悪いのね?
ボケ。
ミルルはね?
ゼロさんのこと、信じてるんだから。
ミルルの人間を見る目は確かに決まってるわ。
だって、ミルルはイケメンに弱いのよ?
エロは好きくないけどね?≫

〔はあ…ミルル様までとうとう…ゼロの策に落ちたんですか?
真面目に彼がどこが良いのか…私には分かりかねますが…。
はあ、彼、エロがうまいんですか?〕

≪違うわよ、不潔だわ。
ミルルとゼロさんはそういうのじゃないのよ。
そう信じてるわよ。
ウフフフフフフ≫

〔彼の何が良いわけですか?
ミルル様…このことは将軍様にはお伝えしない方が…。
いや、言えば・…もしかすれば、ゼロだけ処刑な可能性も・・。
それなら、私が…密告すると言う線も…〕

≪もしね?
ノアが密告なんてしたら、ミルルは唯じゃすまないから。
ノアには制裁をキツク食らわせるから!
ふざけてんじゃないわよ、少しぐらいのろ気させなさいよ、ボケ≫

〔ミルル様は本気でオボコ娘ですね?
私が将軍様へお伝えすれば…。
幾らでも引き裂けるわけです。
と言うことは…。
私は重要なキーパーソンです。
私をもっと尊重するべきだと思うんですね?
ハア。
ま、彼にとっては悪いですが…エロなんてものは流れ作業と同然でしょう。
なんせ、ゼロは昔から誰とでも寝るで有名ですから…。
ミルル様、目をお覚ましになられた方が…〕

≪うっさいわね。
ミルルはイケメンになら騙されても良いの。
一度しかない人生でしょ?
楽しまないとね?
そう言うことよ。
エロは好きじゃないけどね?≫

〔ミルル様…。
浮かれているのは今のうちですよ?
もっと、現実を見つめなさった方が…。
で、彼とミルル様はどうしたいのですか?
彼…冷めているでしょう?
私にはそう感じますがね?〕

≪そんなことないわよ…。
うっさいわね≫

〔そうですかね…。
二人の関係を見てますとね…。
私からはミルル様がゼロをなんでか謎なんですが・・・猛烈に好きと言うのは伝わるんですが…。
ヤツの感情は読めません。
誰にでもあんな感じなので…ゼロは…〕

≪うっさいわね…。
ミルル以外にも今までに女がいたって言いたいの?≫

〔どうですかね?
仕事は割りと淡々とこなすみたいですが…。
ミルル様のことは仕事と割り切ってるのか…。
そんな気がするんですよね?
私も根性でもミルル様を女帝に仕立て上げようと必死なわけですし?
彼にも魂胆があっても良いと思うんです〕

≪別に良いわよ?
魂胆があってもね?
ミルルは…。
だって、魂胆があることなんて当たり前じゃない?
ミルルだって芸能界では何人も蹴落としてきたわよ?
だからこそ、悪いけど…ミルルにはノアが何を怒ってるのかわからないわけ?
嫉妬してるの?
だって、ゼロさんってモテそうだから…≫

〔そんなわけないですわ?
はあ…。
分かりました、ミルル様は今…恋は盲目なわけですね?
でも、きっとこれからゼロの化けの皮が剥がれて幻滅しますわ?
その時はどうなされるおつもりなんでしょうかね?〕

≪ミルルはね?
別に良いわよ?
だって、ゼロさんがイケメンって言うのは変わらないじゃない?
毎日、会う顔だからこそ・…綺麗な花の方が気持ちいいじゃない?
昔はね?
性格が女々しいのも大嫌いだったけど…ミルルの足蹴りで矯正させるわよ。
スポコン根性でね?≫

〔ミルル様…。
本気なんですか?
彼を矯正するのは無理だと思いますよ?
ただ、遊ばれてるだけじゃないですか?
ミルル様は・…〕

≪ミルルはね?
ゼロさんを信じるわ。
今日は機嫌が良いからね?
何を言われても聞かないわよ。
ウウふふフフフフフ≫

ミルル様はこの調子で、全く聞く耳持たずな状態。
これはミルル様の母親も育てるのが・…大変だったでしょう…。

私は咳払いを一回いたしましたわ。

〔フッ…馬鹿は早死にする。
この国のコトワザですわ?
フッ…〕

≪ノアは…ブラックジョークが好きね、本当に…。
ミルル、ゼロさんと交際開始できたのよ!
嬉しいわ。
あとはゼロさんさえ逃げなければ完璧ね!!
頑張るわよ!≫




























判決@


目次

判決B










inserted by FC2 system