アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

判決1

【ゼロ視点】


@[ありゃ?
ゼロが最後にバスへ最後に乗るなんて…珍しいっぺよ?
今朝の朝食もサボテンが出るらしいっぺよ?
オラの家から出荷してるものっぺよ・・。
オラだけ長男だから、実家の超高層山に暮らしてたっぺが…。
邪神国の首都は本当に暑いっぺ…。
超高層山は涼しいっぺよ・・]

A[ワン兄ちゃんだけ・…実家暮らしサ…。
ボクチンも実家いたかったさ…。
にしても…窓の外にいる頭サ、フード被った人はサ。
ゼロに手を振ってるさ。
まさか…ミルル様なのか?
ボクチンも手を振るニャさ…]

B[ワテは西部都市の外れから来たサカイ…。
まだ、ここはやっぱり首都やサカイ…。
マシやサカイ…。
ミルル様の顔、今日見えないサカイ。
寂しいサカイ…。
手は振っとくサカイ。
ミルル様、ワテらにバイバイしてくれてるサカイ]

C[オイラ、邪国地方から来たケン…。
まだここより何度か暑いケン。
でも、熱気は疲れるケン。
ミルル様にはバイバイしとくケン]

D[ボカァ…一番暑いとこタイ。
5人目だからと言って・・両親も酷いタイ、火国から来たタイ…。
火国は軍事寮内も激暑タイ。
ミルル様には手を振るタイ・・。
ボカァ…幸せタイ]

@[いやぁ、兄弟…5つ子全員、派閥は違うっぺが…。
好みは同じべか…。
にしても、ミルル様…いつになったらゼロ諦めるっぺか?]

A[ゼロはバスではいつも寝てるサ。
面白くないさ]

B[ミルル様、顔…見えないサカイ。
そこは悲しいサカイ。
あ、ミルル様の隠し撮り写真、高値で売れたサカイ。
儲かったサカイ]

C[そうケンか・…スリーは本当、商売、上手いケン。
さすが商売の都市、西部都市から来ただけあるケン…。
オイラに恵んでケン]

D[兄弟仲良く、地下牢へミルル様を監禁しタイが…。
どうなることか・…ミルル様には振られっぱなしタイ。
困ったタイ。
どんどん高嶺の花タイ…。
将軍様が物凄く、ミルル様のこと・・気に入ってるタイ。
ちょっと寂しいタイ…]

バスの中では…今日も5つ子兄弟が…オレの後ろ座席で騒がしい。
この5つ子、さすが…1卵生の5つ子ダ。
スキンヘッドにサングラス…褐色の肌、黒装束衣装…。
見分けが付くように…銘々、胸元に番号札が打ってある。

全員、好みまで同じらしい。
個性のねえ奴らだ…。
常にこの調子で…バスでは下ネタばかりダ。
ミルルを遠目に見詰めてる…。
仕草まで似てる。
1卵生の5つ子って…見てると、不思議な気分だ…気味が悪い、まるでCGかと疑う域ダ。

☆☆☆

バスの窓からミルルの茶髪が砂風に揺れてるのが映る。
ミルルが身に纏う黒装束も横揺れになってるのが見える。
ミルルの手はヒラヒラと揺れ…眼鏡の奥の瞳は、少し寝ぼけてるようにも感じる。

バスではオレは寝てるフリしてる。
ミルルへは手を振ってネエ。
でも…この空気で振りにくい。

ずっと、後ろ座席から5つ子兄弟がウルサイ。
昨日まで振ってなかったのに、今日・・・オレが振れば、何事かと5つ子兄弟に怪しまれる。
将軍様へ密告されるのが一番困る。
絶対、将軍様にどんな関係なのかと怪しまれるに決マッテル…。
一応、将軍様にばれない様に関係を忍ぶつもりダ。

☆☆☆

エロなんてものは悪いが、オレはヤリ慣れてる。
慣れればきっとどってこともねえ。
やったことのねえ奴らは、凄い妄想で溢れてるらしいが…。
オレはもう物心が付く前から意味も分からず淡々と流れ作業をこなしてた。
そんな人間の気持ちは分かりづらい。
しかし、ミルルと出来たのは嬉しいことでもある。
ホッコリはした。

ミルルは初めてできっと浮かれてるダロウ…。
オレも確かに浮かれてはいるが…。
スッと冷静にもなる。

しかし…それ以上に大きな課題が残されてる。

まず、どうやって脱出するのか?
ターシャ国は現在どうなってるのか?
将軍様は何をお考えなのか?
ノアは…ミルルをどう思ってるのか?

たくさんのことで悩む…。

ミルルの意志は尊重したいとは思う…。
しかし、絶対にとは言い難い。

だんだん、当初の予定とは変わり始めてる。

☆☆☆

最初はミルルとことをして、根性でミルルだけは死に物狂いでターシャ国へ返還する気でいた。
素敵な思い出を胸にオレはたまに平和国のヴァカンス島でミルルが大女優になるのを待つ。
それが当初だった。

しかし、現在はそれ以上にアクドイ妄想に囚われてる。
ミルルには黙ってるが…。
我が国ではオレですら全員の名簿は知らねえが…各国から実に数千名は越えるレベルに外人を拉致してる。
その末路はオレは知らねえ。
とにかく、ターシャ国の裏会議でも、平和国の裏会議でも…。
政治家たちに拉致問題について、邪神国は毎回・・尋ねられてるらしい。
実に50年以上も返還されてねえ人間すらいる。

確かに、邪神国の庶民は何名か本気で…亡命に成功した人間もいた。
しかし、オレは軍でも将軍様と面識があるレベルだ…。
果たして、将軍様が無償でオレを返還するなどと甘いことがあると思えねえ。
ミルルが殺されなかったのは将軍様の実の娘だったからダ。
ミルルが返還される希望は…ミルルが全てを知らない内なら、あり得るかとも思えたが…。
オレは真面目に、何回も仕事でターシャ国へは飛んでる。
それから平和国もだ。

そんな貿易仲間とも面識がある。
逃げたところで…奴らとも会う。
ソイツらと逃げようと思えば…。
ミルルは捨てなければならねえ。

それだけでねえ。
ターシャ国へ行って、仕事にありつける自信がねえ。
ターシャ国では邪神人は強烈に差別され、結婚の条件として…邪神教は跳ねのけられると聞く。
お互い、差別してるが…。

オレとしては邪神国にいて…。
今のまま、ミルルをこの国に残し…何とか、ミルルがまさかイチミルと婚姻を結ぶことは妨害し。
それから、ミルルが伯爵家へ嫁ぐことを妨害し、更に根性でこの国でオレの位が上がって、一緒になるか…。
それともミルルが将軍様から処刑されないレベルに、とことん嫌われて…、王家から外されて、庶民へ転落し・・。
オレの嫁にするのが楽過ぎる。

それ以外の策が先を考えれば、泥沼だ。
どうせ…ターシャ国へ帰還すれば、ミルルだけ女優らしい…。
オレはそこから先が辛そうな気配がスル。

ミルルには悪いが・・・オレは利己主義の塊だ。
この国全員そうだが…。

オレの同室、5つ子兄弟じゃねえが…。
地下牢へ監禁するとまでは行かねえが…。
実は、ミルルの位を何とか出来ねえかと…。
バスの中で考えてる。

ノアの策じゃねえが…。
それか、ミルルが女帝になって…。
オレを指名するか…。
他に道が探せねえ。

しかし、実は…あまりその道は乗り気じゃねえ。
オレにもプライドってものもある…確かに売春しておいてなんだが…。
ノアのように別に1日1本黒邪神パンを飲みてえわけでもねえし、冷房も別に29度弱でも耐えれる。
一生、ミルルに頭下げて生きるのがオレとしては…疲れそうダ。

ノアはミルルにゴマを擦りまくってるが…。
アレをする気にならねえ…。

今、ダークな思考回路に取りつかれてる。
しかし、それをすれば…。
ミルルはどうなるのか?

いろいろ悩みまくってる…。

ミルルはまだ知らねえラシイ。
この国の実態を…。
ミルルだけじゃなく…もう大昔から、行方不明とされた事件の7〜8割方は…邪神国が絡んでる。
何人、返還されてねえ人間がいるか…オレですらカウントできねえ。
ターシャ国民もテレビでは情報規制が入る事もアル。
一部の官僚と政治家は知ってるだろうが…。
この国はそこまで甘くねえ。

入るのは大歓迎されてるが…。
出るのは…ひと握りだ。
ひとつ、付け加えれば…。
ある意味、一生…逃げれねえ。

もちろん、亡命に成功した人間もバレタ場合…邪神国へ税金は払ってる。
邪神国民である限りは、当たり前の義務だ。
それがあるからこそ、政府から殺されずに済んでる。

邪神国では年間、何名亡くなってるか…カウント出来ないほどだから、その死んだと思ってた人間が…亡命にこっそり成功していたと言うケースもあり得るのか もしれねえが…。

特に、平和国ヴァカンス島は泳げる距離にアル。
しかし、ウヨウヨ邪神人もあそこは歩き回る…裏貿易のためにだ。

オレが亡命する場合、死んだと偽装工作するのだろうが…。
ミルルほど、目立つ女と共に行動して…オレが一生、政府から逃げ切れる自信が…オレですら沸かねえ。
オレは割りと有能なスパイだが…。
ミルルの周りは…絶対、邪神人はチェックするだろう。
例え、オレが死んだと言う情報が入っていたとしてもだ・・・。

こうなると、次の線は…将軍様にミルルが、オレも一緒に亡命しても良いか?
と頼み込むことだが。

オレの被害妄想かも知れねえが…。
どうも、将軍様からオレとミルルの仲を引き裂くように持って行かれてるような気がしてたまらねえ。
協力してくれそうにねえ気がする。
それをして、将軍様に何のメリットがあるのか?

いろいろ考えると、ミルルの考えに大賛成とも言い難い。
今、オレは良い目にアッタ。
これがコッソリ続けば良い。

ミルルには…。

≪いつか一緒にターシャ国へ帰りましょうよ≫

と可愛い声で説得されたが…。
逃げ腰にナッテル…。
今日が楽しかったから、邪神国でこのまま、一緒に暮らすのも良いかと思い始めテル。

ノアはミルルを女帝にすることに必死だが…。
ミルルはオレと一緒にターシャ国へ帰りたいラシイガ…。
オレとしては、ミルルが将軍様から嫌われ…王家から絶縁になり、庶民へ転落して嫁にする方が…非情に楽なんだが…。

将軍様は何としてでも、ミルルをこの国で位をあげるために…日々、ミルルへ政略結婚を考えてらっしゃる…。

しかし、結果が全てだ…終わり良ければ全て良しダ。
別にどの道でもオレは良イ。

バスの中でいろいろ考えテル…。
今、ダークな妄想に囚われてる…。

邪神会議に参加してるのは将軍様から目を掛けられ、大佐へ特別昇進したノアだ。
午前5時頃、女性重要幹部を他とした邪神会議と、9時頃にも男性重要幹部を他とした邪神会議が連日、行われてる噂なら聞いてる…。

しかし、ノアがオレへ情報を渡す訳もネエ。
将軍様が何を考えかは…全く不明ダ。
オレは現在、偽造貨幣工場へ回されてる。
邪神会議の内容は知らねえが…不穏な空気ならアル。

イチ妃やニ妃は…ミルルを気に入ってないという噂なら男性職員内でももっぱらの噂ダ。
妃共に寵愛されてる宦官共が漏らしてた。
将軍様は現在、ジャシドン制作のため、資金集めに没頭してるらしい…。
大方、ターシャ国へミルル返還金について途方もねえ額の請求ならしてそうな雰囲気がアルガ…。
これからどうなるかは全く、ヨメネエ。



〔ノア視点〕


☆☆☆

ハア・・・。
ミルル様の御守りは大変ですわ。
私としては…冷房の効いた部屋で暮らすためなら手段は選ばない気でいますわ。
だって、この熱期。
なしで暮らせるわけがありませんもの…。

それにしても、女子寮は暑いですわ。
それから…遊女の皆様たちは日々、ミルル様の影口しか叩きませんわ。
私にとってはミルル様…女帝にするのは夢。
これを叶えるためにも頑張る気ですわ。
ミルル様をターシャ国へ返還など、私にとってメリットなんてございませんわ?

夜はこの冷房29度弱設定の女子寮の2段ベッドの下の部屋で…。
ほぼ徹夜で課題レポートを仕上げているわけですわ?
表向きは、ミルル様の教育係ですが…それ以外にもいろいろ将軍様から仕事を頼まれていましてね?

現在は…合成麻薬に関するレポートですわ?
それ以外にも麻薬の栽培に関するレポートや、人体被害などの研究結果をまとめてます。
我が国の産業として、室内栽培で大麻を栽培してますが…。
この大麻にそっくりな遺伝子組み換えの大麻を今よりも低コストで大量生産して、大麻だと騙して…。
世界中で売り捌くためにも我が国には研究が必要不可欠なわけですよ?
大麻を使用しなくてもマリファナを他とした医療用の薬剤を麻薬代わりに利用して…摂取した際の人体への影響など…。
私は忙しいですわ?

特に合成麻薬に関しては…法の抜け穴をくぐった脱法ハーブでしてね?
これが結構、外国の庶民に売れるわけです。
少し、化学組成を人為的に変えただけで…ほとんど麻薬と同成分なんですが…。
その液体を普通のハーブにスプレーして売りつけるだけで、もうこれは違法ではなく、現段階では合法なんですね?
こういうふうにして、我が国は儲けまくってますわ?

私は研究はしますが…別に麻薬なんてしませんわよ?
これはまあ、ヤクザの常套手段ですがね?
フフフフフ…。

その他、ダイエット効果がある薬だとして…麻薬を売ったりするための研究レポですよ?
これも最近では麻薬に関する取り締まりが厳しすぎてですね?
麻薬だけど、匂いのしないものを開発中ですわ?
警察捜査犬は大抵が麻薬の香りを覚えてましてね?
あれが厄介ですからね?

それにしても大変ですわ?
それ以外にも、臓器だけを取り出した内臓が何日間、生きれるかという研究結果や…。
我が国は臓器転売でも儲けてますからね?
そんなダークな研究ばかりですよ?
でもね?
これが結構楽しくて…この国は法が緩いので、人体実験がしまくりですしね?
割りと、学者冥利につくわけです。

人間とサルを異種交配さして、その混血児を軍用生物として育てる実験もかつてにはありましたが…。
あれは…やはり、受精はしても胚が育たないわけで…流産になるわけですね?
まあ、DNAが違い過ぎますしね?
最近では更に化学が進んでる訳ですし…いろいろやりまくれますわ?
受精した卵に雷也の光線を与えて強制的に受精卵を分化させてキメラをつくる研究とかが有名ですね?

今までに人間の脳のDNAを一部、組み込んだ賢いマウスや…。
しかし、賢いと言ってもウサギ程度ですわ?
それ以外にも、背中に人間の耳をつけたマウスなど様々、成功ならしてますわ?

そういうわけで、私は邪神国万歳ですわ?
世界中に超極秘で凄い研究を将軍様は許して下さるわけですしね?

ターシャ国や平和国ではいろいろ規制がうるさすぎて、自由に研究が出来ないと聞きますしね?
研究に関しては超自由ですわ?
現在、人間と動物を混合した軍用生物の製造を研究してる訳ですが…。
初期胚までは到達したのですが…意外にこれが至難技で…。
鶏の胚からティラノサウルスをつくる研究まであるわけです。
鶏の卵からティラノサウルスの脚が成功した時は大歓喜でしたが…。
成長となると、これまでに数回は失敗してますわ。

これが楽しいわけですよ?
だって、この国でしか許させないわけですしね?

フッ…。

[ノアはミルルの側女なのよね?
どうする気なのかしら?
アッシとしては、ミルルは邪魔で仕方ないんだけど?

返還金をターシャ国からいただいたところで、この国で処刑するっていうのも良いわ?
ノアは知らないでしょうけど…昨夜、8時頃、ターシャ国の外交官を通じて、邪神国へミルルの返還金16億タ$が邪神国へ受け渡されることが…正式に決定し た話なら。
将軍様からアッシは直接、夜伽で聞きましたわ?

そのあと、すぐに…将軍様は深夜臨時で結集された男性達が集う邪神会議で…その件を発表なさったみたいですが…。
真面目にミルルは邪魔でしかないわ!!]

私は知らなかったのですが…。
昨夜7時頃に将軍様が遊女様達と御戯れになったあとの話です。
午後8時以降に、ミルル様の返還金16億タ$の返事がターシャ国から邪神国へ下されたようです。
その返事に寄れば…ミルル様のファンを通じて、無事、16億タ$もの資金が集まったようで…。
返還金16億タ$を平和国のヴァカンス島にてミルル様と物々交換で、受け渡しが近日中に行われるそうです…。

ということは、今日の会議で会う妃様達も既に知ってらっしゃる可能性が高いわけです。
深夜も男性の部、邪神会議は長引き、昨晩はあまり将軍様に相手にしてもらえなかったのか…。
王族職員女性寮の同室仲間、遊女の皆様方は…ずっとこの調子でお怒りですわ??


[本当よ…帰って欲しいわ。
別に鬼畜タなんて殺しても良いけどね…。
最近、王族職員男性寮にいる連中が・…密かにミルルファンクラブなんて設立してるみたいだけど。
ワタイは全く面白くないわ!
将軍様も…ミルルに黒邪神パンなんて言う超高級酒を渡してるみたいだし…。
ノアもワタイの味方でしょう?
アンナやつ・・殺してやりたいわよ!!
ワタイは!]

[ワタクシも前々からあのミルルに対しては気に食わないと思ってたんですがね!!
今日、開催される邪神会議でも発言しますわ!!
将軍様は今や…イチ妃やニ妃などと言うオバサンよりワタクシたちの方がずっと好きだから…発言権がある筈ですわ!!
そのイチ妃やニ妃も、どうもミルルは嫌いみたいですし!!
ワタクシ、殺しても良いと思うんです!!
生煮えのミール貝なんて…どうかしら?
我が国には恐ろしい病原菌がたくさんあるから!!
邪神海に浮かぶミール貝の死骸みたいに死ねば良いのよ!!
あんなヤツ!!]

[アタチも認めないわよ!
そうね?
一番…酷い方法で制裁を食らわせるとかどうかしら?
戦いのリングの始まりね!
ボッコボコに殴り倒してやるんだから!
アタチだって、出来るのよ?
長刀の腕は…この中で一番だわ!
鬼畜タが!!]

[ワレの方が年下だからって…ミルルは舐めすぎてるわよ!!
ねえ?
グリーン…?
貴方のその毒で…ミルルを噛んでくれないかしら?]

遊女の首に巻いてるラフグリーンスネークが--シャー--と返事をした…。
一番、若い遊女様は部屋ではまさに裸婦です。
邪神会議や歌劇出演中は緑装束なのですが…。
常に…ペットのラフグリーンスネークと呼ばれる猛毒を持った緑の蛇を首に巻いてます…。
近寄るのも怖い御方です。

私も毎日、寝る度にこれを聞いて大変なんです。
私ほど、人間が出来てるのもいないと思うんです…。

仕方なしに、コホンと咳払いをしてみました。

〔フッ…残念でしたね?

私は…ミルル様は女帝になる器がある人間だと確信してますわ。
そのことを今日の邪神会議でも発言しますわ?
ターシャ国からミルル様の返還金はよろしく頂戴して、死んだって話で逃げるって言うのも手だと思うんですの…。
これも我が国の常とう手段ですからね?

しかし…まあ、でも…。

遊女さまたちも怒らずに・・・。
美しきお肌が傷つきますわ…。
ストレスは美肌の大敵ですからね?
フッ…〕

[ノア…良い度胸じゃない?
美肌のために耐えてやるけど…。
アッシを怒らしたら…どうなることか…次世代の将軍様を産むのはアッシなんだから!!]

[まあ、ノアは…常に強者の味方だわ?
と言うことは…!
ワタイよりミルルの方が上だっていいたいの?
でも、どうせ…ミルルが去れば…以前のようにワタイに絶対忠誠をする女よ?
ワタイも知ってるんだから…!
前まではワタイに、どれほど尽くしてくれたか…。
最近、冷たいじゃないの?
ええ?]

[そうよ?
ワタクシ達のために…わざわざ、毎日、冷蔵庫にある氷を持って来てくれた事もありましたのに…。
どういうことですの?
最近は冷たいんじゃありません?]

[畜生!
ノアは無理ね?
と言うことは…将軍様へ色仕掛けしか…。
でも、最近・・将軍様はミルルになんて、目を掛け始めて…!!
今更でしょう?
ヤツが本当の娘とも限らないのに!
ああ…殺したいわね?
やっぱ、あの子…ワタチには邪魔でしかないわ。
上手にバレナイ方法で・…殺したいわね…。
だって、バレタラ?
唯じゃすまないものね?
ハハッハッハ]

[邪神界にでもワレはシッカリ言うから。
グリーンも見ていてくれる?]

---シャ―――!!!---

蛇が唸り声をあげてます…ずっと、これです。
私は疲労困憊してますわ。

黒邪神パンは眠りを誘う薬…最近、産後で体がだるくて…。

☆☆☆

もっと、酷いのは…。
イチ妃様と二妃様。
今日は、ミルル様の朝食を運ぶより前の早朝…5時頃に邪神会議が開催されました。
邪神国では…熱期の間は、休暇もありますが…。
会議などの仕事は…深夜や早朝になってきます。

日が落ちないと…もう、暑くて暑くてやってられませんからね?

邪神会議に参加権が発生したのは、ミルル様の側近が決定し…大佐に昇進してからですわ?
邪神会議ってどんなものかとワクワクしてたんですが…。
結局、言ってみれば…ただの喧嘩のふっかけ合いみたいですわ。

情景は…ターシャ国で放送されてるTVNEWSの国会中継にも似てますわ?
しかし、座ってるメンツが…将軍様とイチ妃様とその息子イチミル様、二妃様とその息子ニミル様…。
傍聴席には遊女の皆様方と私が座ってますわ?
将軍様はこのように女性を侍らしてますわ?
老中や政治家たちは男性なのですが、イチ妃様やニ妃様などと交えることは我が国では許されないので…。
会議中も基本、男女は別です。
将軍様は…男性政治家たちが実施してる邪神会議にも午後9時頃、参加してるらしいですわ?

早朝5時台の邪神会議は女性を主としたメンツで開始されます。
それに対して…午後9時以降の邪神会議は男性政治家などを主として開始されるそうですわ?
風の噂では…午後の邪神会議には…ミルル様の隠し撮り写真について…男性連中全員で会話に花が咲くらしいのですが…。
早朝の邪神会議は…全く、そんなホノボノとした雰囲気など流れませんわ?

\本題ですが…ミルルの処罰に対して…どうお考えなのかえ?
ターシャ国からミルル返還に際して、実に16億タ$を戴けるかもしれない話なら昨日、聞きましたわ?
まさか、向こうの言いなりになって…ミルルを返還いたす気ですの?
正気じゃございませんわ?

将軍様…ホホホオホホホ・・。
ワラワにだけ教えて欲しいのじゃ。
ワラワは邪神国の絶対権力者の一番嫁、イチ妃だからなのじゃ\

イチ妃様は御年28歳、褐色の肌に麻呂眉、瞳は細く、鼻は低めで…口にはお歯黒…髪は背中まで長くまっすぐですわ…。
若干、しもぶくれな頬です。
洋服は全身金装束を纏ってます。
褐色の肌に顔立ちは…アッサリした顔立ちですわ?
何と言いますか・…十二単がとても似合いそうな顔立ちですわ?
ちょっとこの国には珍しい顔立ちですわ?
肌は褐色なのですが…。

//何をおっしゃいますか?
あたくしに逆らうものなどいませんわ?
だって、あたくしは2妃の称号を将軍様からいただいてますの…!
イチ妃よりあとに、あたくしは将軍様から愛されて…子供を産みましたもの?
この中で一番、発言権があるのは…あたくしですわ?
ホホホホ。

ミルル返還に対してはあたくしも大反対ですわ。
あの小娘、我が国の情報を少々知り過ぎてますわ?
ターシャ国からいただける返還金、16億タ$は微々たるものですわ?

ホホホホ

再度、請求なされても?//

二妃様は御年23歳。
黒髪は江戸時代に流行った髪型曲で、結い上げていますわ。
二妃様は…褐色の肌ですが…江戸時代の浮世絵美人にソックリだと全員から評されています。
細い目元にうりざね顔、おちょぼ唇…狭い額、黒い豊かな髪はアップに結い上げて…。
服は全身、銀装束に身を包んでますわ?

+イチ母上、ミルルって…麻呂の姉なのかえ?
麻呂は見てみたいのじゃ…。
王族職員男性寮で噂になってるみたいじゃが…。
どんな人なのえ?
ターシャ国へ返還されるって本当なのかえ?+

イチミル様はもう・…誰が見てもイチ妃にそっくりです。
顔立ちはあっさりしてますわ。
眉毛の位置まで同じですわ?
麻呂眉です。
顔もどこかしもぶくれなのも…イチ妃にソックリですわ?
髪型は…恵比寿様にも似たヘアースタイルですわ?
服は…イチ妃様と同じ、金装束に身を包んでますわ?
これは…一番目と言うことを指すみたいですわ?

\イチミルや、将軍様はイチミルへミルルを古代のように…嫁へ入れても良いと考えてるらしいのじゃ…。
それか、将軍様はミルルを政略結婚として、我が国の伯爵を他とした海外にいる富豪などの嫁として与えても良いとお考えらしいのじゃ。

ワラワはこの線には反対じゃ。
受け取った返還金はありがたくいただくとして、ワラワは別に生きてミルルを返す気にもならないのじゃ。
返還金を頂戴したとともに、ミルルはその場で射殺するのも手なのじゃ。
将軍様は…返還金の額面を引き上げて、ターシャ国へ無理難題を申し渡す気でいるらしいが…。
そもそも、この国でミルルを根付かせる気でいるらしいのじゃが…。
ワラワはその線にも頷けないのじゃ。

フフフ?? \

+イチ母上、ミルル姉上をどうするつもりなのじゃ?
麻呂に説明してけろ?+


\ ミルルとイチミルは父親は同じだが…母親は国籍が違う…。
将軍様がまだ血が離れてると言うのじゃ…古代邪神国ではよくあったが…。
イチミルはどう思うのじゃ?
ミルルは反対かえ?

イチミルは将軍様から素敵な名前を戴いたのじゃ、誇りに思うのじゃ!\

+父上からイチミルと言う素敵な名前を授かったのは嬉しく思うのじゃが…。
麻呂は…イチ母上の言う話が…まだ、ピンと来ないのじゃ。

14歳になるがの…。
女性にはまだ興味ないからなのじゃ…。
それより、鍵をつくってる方が、麻呂は楽しいのじゃ。

ただ…ミルル姉上がどう言う人なのか気になるだけじゃ。
イチ母上、父上はただ…ミルル姉上へ位を与えたいだけなのかえ?
それなら、麻呂の位を譲っても…。

それか、ミルル姉上は…生きたまま、ターシャ国へ帰してあげても良いのじゃ+

\何をおっしゃるのじゃ!
イチミルは…!
情けない、ワラワは泣きそうなのじゃ!
ワラワは我が息子、イチミルが次期将軍様になると…信じて疑わないのじゃ!
ミルルはそのためには邪魔だと言うのに…\

//何をおっしゃいますか?
血迷ったことをおっしゃいますね?イチ妃は…。
あたくしこそが二妃…邪神国の絶対権力者、時の人ですわ。
だって、イチ妃よりずっと若いんですもの。
将軍様の寵愛はあたくしに向いてます!!

あたくしの子供、ニミルこそ次の将軍様になりますわ?
ハハハハハッハ。
ね?
ニミル?

ミルルは処刑の線で行きましょう//

++
陳には…分からぬ。
陳は鍵つくりを家でしてる方が楽しいからのう…。

それがし、なして…陳へ将軍になることを望むのじゃ?
陳はまだ、子供。
遊びたいのじゃ…。

ミルル姉さんはターシャ国へ帰すべきなのじゃ。
16億タ$もあれば、陳は良いのじゃ。
++

















ミルルD


目次

判決A




↑5つ子兄弟集結↑

\ワラワはイチ妃なのじゃ\

+麻呂はイチミルなのじゃ+

//あたくしは二妃です//

++
陳はニミルなのじゃ
++




〔ノア〕






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