アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

 

4部タリアC

『タリア視点』

「ええ…。
嘘でしょ・・・」

『…』

「タリアは…聞き役なのね…。
そう言うことにしてあげるわ…。
もっと、出してね?
中にお願いね?」

ずっとエロいことしか言ってない…。
これは絶対、クラスの男子どもも知らないだろう。

『・…。
おまえは…留学生、ゼロ…。
アイツが転校した件について…。
どう感じてる?』

「また、その話?
ゼロくんがいなくなって喜んでるんでしょう?
まあ、キセキと肩を並べるぐらいにモテてたものね…。
アア…」

『…』

「女子たちはガックリ来てるみたいだわ。
男子たちは…邪神教のテロだって難癖つけて疑惑持ちまくってるみたいだけど…。
あんたもまさか、疑ってるの?
ゼロくんのことを…。
だめ、逝く…。
気持ちが良い…。
もっと…」

『…そうか…』

本気で…二人になれば、普通の会話は成立すらしない…。
エロが二人っきりになれば始まる…。

「なんなの?
その意味深な溜息は…。
アンタが発言するときって珍しいけど、逆に何か言いたいことがあるんでしょ?
ハッキリしなさいよ…。
ねえ?
もっと、腰振ってよ?
次は騎上位なんて?
疲れたの?」

『マナナが気が付いてないなら…それで…』

「何なの?
その秘密主義な性格…。
さすがに怒るわよ?
ここまで言ったんなら、言えば?
ほらそこに寝転がって…騎上位で出してよね?
中に精子、頂戴よ」

どうしてか…マナナと付き合ってると、AVみたいになってくる。
マナナがエロ過ぎるからこうなる…。
俺は大人しく床に寝転がった…。
マナナは嬉しそうに俺の性器へ手を繋ぎ、自分から…腰を振ってる…。
俺からはマナナの尻だけが見える。

『ヤツは…ミルルは知ってるかもしれないが、邪神国からのスパイな可能性が高いらしい。
しかし、誰にも話さない方が良い。
身のためだ…』

これはちょっとキツイかもしれない…。
というより、マナナがエロ過ぎて全く普通の会話が出来ない状況だ。

「え?
アア…。
良いわ、中で固いのが」

エロ過ぎてる、俺は普通のデートもしてみたいかもしれない…。
マナナは嬉しそうに腰を振ってる、汗までかいてる。
本気で旺盛な性格なのが伝わってくる。
他の女もこうなのか…それは謎だ。
さすが母親が好きものでAVに転落した過去を持つだけあって…。
マナナは本気で発情マシーンも良いところだ…。
体力が持つのか…それが一番の不安かもしれない…。

俺はマナナの発達した尻を掴んでみた、マナナが痙攣してる・・・。
よほど、気持ちが良いらしい・・。
俺のタマ袋を触ってる。

『そんな噂が確かにあることも実際だが…。
確証は薄い。
男子たちも僻みで堂々と噂を流してるが…』

ちょっと…エロ過ぎて、キツイ。
普通の会話にならない。

「タリアはどう思う訳?
本気でそんなふうに感じてるの?
嫉妬でしょ?
男子たちの…。
発信源はウチのクラスじゃないの?…
ああ、もうそんな話より…。
エロを…。
アア、気持ちが良いの…。
これ、たまらないわ…アア…」

『…ノーコメントだ』

「ということは…。
アンタのノーコメントって、だいたい…その通りって意味なんでしょ?
はあ…。
良いわ…これ、気持ちが良いの…。
タリアのこれって…好きだわ…。
アア…」

『…』

「それがどうしてテレビで流れないわけ?
気のせいじゃないの?
アニメ先生だって…そう皆の前で話してたし…。
次はバックでも良いのよ…。
どの体位も私、気持ち良くで大好きよ?
おっぱいも鷲掴みにして、それからキスしてよ…。
ああ‥」

俺は大人しく従ってる…。
マナナが言うとおり、背後から胸を揉んでみる。
マナナって激しくされる方が好きらしい。

『邪神国人は何を考えてるのか分からないことが多い。
アイツ、本気で亡命なんて出来たんだろうか?』

「え?
アア…」

マナナの足がガクガクになってる、俺の方が冷静かもしれない。

『テレビでも話してるが・・。
本国のことをこの国へ亡命を達成した人間が言えば…危ないから黙秘を貫いてる現状だ。
恐ろしい国なのは確かだろう…』

「そうよね…。
それにしても、どうして古代壁画が…邪神語なのかしら?
気持ちが良いわ、出しても良いのよ。
アン…」

『それは謎だ、しかし…古代から邪神国が続いていたということだろう…』

「学習博士の3分で分かるニュース解説番組、タリアも見てた?
だめ、良いわ。
そこ…」

マナナはバック体位なまま、尻を振って誘ってる・・。
俺は本能のまま動かしてる。
胸を揉んでみた、マナナが喜んでるのが伝わってきた。

俺はキスしてみた。
実は多くを語る性格でもない。
これは生まれつきの性癖だ、素だ。
マナナの中が熱くて痙攣してる。

『…』

「ハアン…邪神国って紀元前からある歴史のある国だって…。
学習博士は話してたわ。
当時、ターシャ国で極悪犯罪人が脱獄をして…邪神国のある砂漠の大地へ渡り…。
原住民を惨殺して、綺麗な容姿の女だけ生き残らせ、子をなし…栄えたと言う伝説があるって…。
だめ、また逝ったの…。
タリアはまだ?
いっぱい頂戴ね?」

『・…』

「それと古代壁画…。
どういう意味なの?
あれ…。
学習博士に見てもらうべきじゃないかしら?」

マナナの乳首が立ちあがってる…。
中がヒクヒク痙攣してる…。

「いっぱい、精子を…。
私に…」

言うこと全てがエロい…。
エロいけど、俺はこの女…好きだ。

『しかし…あの場所は祭り以外では…女以外禁制地区だ。
監視員も一般通路にはいる』

「そこを何とかならないのかしら?
そういうのって独断では難しいの?
次は正常位でも?
タリアはどの体位が一番好きなの?」

正常位になってみた。
正常位、好きかもしれない。

『正常位…好きかもしれない…』

「そう…アン…。
おちんちん、良い」

エロ過ぎてる、と言うか…誰かに聞かれると本気でまずい気がする。

『マナナ、声抑えとけよ』

「だって…そんな…」

マナナは困った表情だ…。

『俺だけの判断では…。
どうしてターシャ教で女以外禁制なのかも俺には謎だし…。
写真だけでも見てもらう形でも…』

「そうよね…。
学習博士に一度、会えると良いんだけど…アン」

マナナは…自分の掌で唇を覆い隠した…どうも、声を抑える目的らしい、仕草が愛らしい。

『会ってみたいのか?
マナナは?』

「・・・」

マナナは顔を真っ赤にしたまま、手で口を覆い隠し、コクコクと首を振った。
マナナの大きな乳房が上下に揺れてる。
俺は誘われるままに体を動かす。
マナナは脚をばたつかせ、首を振って善がり狂ってる。
手で唇へ蓋をして、喘ぎ声は耐え忍んでる風潮だ…。

『キセキへ聞けば…学習兄弟のアドレスなら一発だろう…』

しかし、マナナと学習兄弟がアドレスで繋がると言う意味だ。
そこは嬉しくないが・・。
確かにあの施設、何故…邪神語だったのかは不思議すぎる。
誰がアレを描いたのか?

そこからは何も聞かずにただ動いた。
事が終わり、発射すれば、一番…喜んでるのはマナナだ。
俺には赤マムシ系の精力増強剤がこのままでは必要なのかもしれない…。
マナナがエロ過ぎてる…。

☆☆☆

教室へ戻った。
キセキは…教室で着席したまま、真面目にHEIWACの単語を開いて勉強をしてるらしい。
キセキの机周りを女子集団が数名、群れている…。

[キセキ君…本気で留学するの?]

[やめてよ、私たちのために…]

[いつもミルルやナデシコやカンサイがいるから言えなかったけど…。
私もキセキ君がすきだったのに…]

[ファンクラブまで結成してるのに…]

[両親の仕事関係で行くって話、本当なの?]

[HEIWACもそのためにマスターしてるって言うなら考えがあるわ、私たち…邪魔するわよ]

「悲しい話かもしれないが…僕は真剣に自分の力に挑戦したいと願う…。
現地学校へ行くためにも」

何だか…さっきと言ってることが違う。
キセキって反抗する性格なのか?
そう言えば…手が届かないぐらいの方が自称燃えるとは言ってたが…。

[ダメよ、キセキ君…平和国なんて…]

[私も平和国へ飛びたいわ…でも、そんなこと無理だし…]


[キセキさん、考え直して…]

「僕のおじいさんは元々、平和国の人間でオランダ系だ…。
僕は一度は行ってみたいかもしれない…。
母はターシャ国籍を選び、結局、純潔のターシャ国人である僕の父と結婚したが…。
平和国にいる女子のレベルが気になっている…」

「そうなの…。
キセキはおじいさんが外人だったの…。
知らなかったわ、クォーターって言うのは最近、知ったとこだけど」

「マナナ、タリア…散歩から帰って来たのか…」

『…』

[誰よ?コイツ…]

[キセキさんへ近づく虫?]

[邪魔よ]

キセキを崇拝する女子軍団からマナナは睨まれてる…。
マナナは困った子猫のような表情だ。

「僕の親友、タリアと…幼馴染のマナナだ。
君たちは学年が下だろう?
敬意を払え!
僕のクラスの女子は知ってるだろうが…」

キセキが勘違いしたかのように怒ってる。
俺の彼女だ、何か…まるで自分の彼女とでも言いたげな態度だ、気のせいなのか?

『…』

キセキの周りに後輩の女子まで今日はいるらしい…。
それから俺のクラスの女子まで…。
合わせて10名はいそうだ・…。

[マナナ…。
帰って来たの?]

[もう少し、タリアと遊んでいてもよかったのよ?]

[最近、マナナのことは私たち可愛く見えてるのよ?]

『…』

マナナが女子と親睦を深めてることは知ってる…。
実は面白くない…。
お蔭で一緒に勉強が教室ですら出来かねてる…。

「えっと…うん…」

「君たちは少しだけ黙ってもらいたい。
僕は混乱する、全員の言葉が聞き分けられるわけでもない。
マナナやタリアと会話がしたい…教室の後ろまで下がってもらいたい。
僕はマナナやタリアとも本格的にお別れをしたい気分だ。
理解してほしい、僕の気持ちも…」

『…』

そうしてここまで上から目線なんだ?
コイツは…。
モテ始めてからずっと調子に乗り過ぎだ。
大昔はこうではなかった、俺を頼ってばかりの泣き虫だったくせに・・。
何故か腹立つ発言ばかりだ…俺の地雷ばかり踏んでる…。
自覚してるのか?
キセキは…。
親友だと認めても良いが…少しムカつく。
何故だろう?

[そう…じゃあ、待ってるわね♪]

[終わったら、告白の返事頂戴よ…!!]

[それまで帰らないからね♪
サヨナラをしっかりしてね♪]

数名の女子達に告白をされていたらしい…。

キセキが席に座り込んだまま、大きなため息を吐いた。

「そうか、マナナは知らなかったのか…僕は言い忘れてたな、そう言えば…。
別に言わなくても良い情報だと思っていた。
お祖父さんからは口止めされてた。
当時としてはあまり良く思われないのか、随分反対されたそうらしいからだ。

最近は就職でもあまり差別もないらしいが…。
市民革命より前には戦争もあった、その頃の教育の名残で母は苛めにあって差別されたらしいからだ。
僕はただでさえも子供時代、泣き虫だった。
言わない様に強く祖父からは言われてた…」

「そうなの…。
へええ…」

『…』

「今でこそ、平和国も戦争を放棄したが…まだ歴史が50年足らずと浅い…。
祖父の父時代までは本格的に"邪神国"と現在の"平和国"と"ターシャ国"…。
この3国は冷戦状態だったらしい…。
お互いがお互いを憎み合う環境だったらしい…凄い三角関係だ」

「そうなの…世界史弱くて30点だから…」

『…』

「"平和国"はその前は…"好戦国"と言う名称だった。
あれも市民革命で…名前が変更したことは知ってるだろう?
当時は好戦国の人間ってだけで、”鬼畜好”と叫ばれて…長刀を持って襲われる運命だったらしい…」

「へ〜。
聞いたことあるような…。
ないような…」

『…』

と言うことは・…キセキのお母さんはハーフなのか…。
確かに病院で面会したが…それ系の顔立ちだった。
目鼻立ちがしっかりし過ぎて鷲鼻だ、巨乳でオナカがババンと出て、背が高く…クルクル渦を巻く茶髪な中年女性だ。
まつ毛が長く、目がクリクリして、アーモンド色で…健康そうな見た目ではあったが。
顔立ちからして、若い頃は絶世の美女だっただろう…とは感じた…。
…あの茶髪も天然かもしれない、キセキがそうだからだ。

というか、キセキもクォーターで少し日本人離れしてる、色素だけ薄く長身で茶髪茶眼だ。
キセキとお母さんが似てるだけかと感じたが…キセキの母の方が…堀がそう言えば、深いかもしれない…濃い顔立ちだ。
キセキは言われないと…クォーターって分からない、茶髪なのも染めてるだけかと感じる人も多いし…。
顔立ちは…色素が薄いターシャ人寄りだ。特徴は背が高いだけだ。
それでも、クラスでは親近感が沸く顔立ちなのか…モテまくってるが…。
キセキを"ジャニーズ系"や"ホスト系"や"王子様系"だと女子ども、勝手に崇拝してる…。
ここら辺は本気で全く面白くない。

キセキのお祖父さんが平和国の人間だったらしい…。

その時代、国際結婚って珍しかっただろう、さすがにマナナとは違う。
他国の歴史もそれぐらい知ってる、平和国革命の話だろう…。
現代でも、国際結婚は珍しいイメージだ…。
いったい、どういう経緯で知り合ったのだろうか?
二人は…。

「それ以前には複数の国が連合同盟を結成して大きな大国へなった話も知ってるだろうか?
現在では平和国は…白人をメインに黒人や他の人種も入り混じった人種のサラダボール。
それからターシャ国は黄色人種、邪神国は…肌が褐色系な人種が多い…ことは知ってるだろうか?
邪神国だけ実は分からない…。
ゼロがそうだったからそうなのかと…」

「ゼロくん…本当に転校したのかしら?
キセキはどう感じてる?」

『…』

「アニメ先生が言うんだ、そうだろう…。
転校したらしいな。
僕はそれについては喜んでる」

「そう…私も転校なのかと…」

『…』

俺は怪しいと病室にて、父から情報を得てる。
普段・・・寡黙な父が言うことだ。
信憑性が高い気がする。
キセキはこういう認識なのか…。

「ゼロか…。
アイツがいなくなって僕はホッとしてる」

「そう…」

『…』

「マナナは知ってるかどうか知らないが…外人の血筋が受け入れられ、テレビでもてはやされるようになったのも…最近の話だ。
美の価値観が変わりつつらしいが…。
当時はターシャ国正式の着物だった・・着物が似合わない母は鬼っ子と言われて、辛かったらしい。
しかし、僕は学校では強烈にモテまくってる。
ココは嬉しくて仕方ない。
女子たちが群がってくる…」

「キセキ…モテて嬉しくてたまらないのね…。
昔は女子から酷い目にあってたものね」

『…』


「一つ疑問があるわ、その当時にだって、泉の神児がいたわけでしょ?
あれは…どうして白人系なの?」

『…』

「確かに現在の神児は白人系女性だ。
それからその前、父の幼少期は白人系の男だったらしい。
その前、僕の御祖母さんが幼い頃には…褐色な肌の女性だ。
あれも毎回、違うらしい。
どういう血統で選べれてるのか謎だが…異世界からの住人だと聖書では書かれてる。
その前…大昔はターシャ人の男性だったらしい…。
そんな話を聞く」

「そうなの…。
でも神社には…白人系の男女の二体しか…飾られてないわ」

『…』

「もっと奥に文化財として残されてるかもしれない。
僕の父の頃には、白人系の男性と褐色な肌の女性像だったらしい。
どうも現存する泉の神児と、その1代前の神児像が飾られてるらしい」

「そうなの…。
そんな話、全く聞いたことなかったけど…お母さんに聞いてみようかしら?」

「僕も両親、祖母から聞いて知った…。
その方が詳しいだろう」

『…』

何も聞かされてなかったが…帰宅すれば、聞いてみたいかもしれない。
俺は確かに最初から何故か金髪女性だった、これは法則性があるのかどうかをだ…。

もしかすれば、母は知らないかもしれない…。

||「何も知らずに月神家へ嫁いできた身よ」||

と常に漏らしてた。

俺が泉の神児として、幼少期…見世物小屋扱いされることに対して、母はキリキリ胸を痛めた表情だった。


||「こんなことは聞いてなかった」||

と愚痴ばかり言ってた。
父は黙って…それを受け止めてた。

俺が無口なのは父親に似たのかもしれない…。
母は結構、愚痴っぽい性格な気がする、俺へは強烈に甘いが…。
入院中でベッドに横たわってる父の方が…泉の神児については詳しい可能性もある。

俺は父が無口なせいで…何も知らされてない…、あの人は仕事が終わると…余計なことを一切、話さない性格だ。
思えば、母との思い出はたくさんあるのに…父の存在感が家庭では薄い、よく…それで母も耐えてる…。
俺は自分もそうだから、父に責める気にはなれないが…マナナには悪いとも感じてはいる。

一度、聞いてみたい。
何故か、キセキの方が…父や祖母とも会話が出来てる感じだ。
俺は自分のことなのに…知らなかった。

「平和国に残る伝説もターシャ国と似てる話が多い…。
大陸を発見して独立したのが平和国だ、あの国はまだ文化の浅い国らしい…。
それゆえに、文化が長いターシャ国や邪神国へ変な憧れを抱いてる人間も存在するらしいが…。
僕は向こうでモテるだろうか?
自信がない…」

「ふうん…」

『…』

[そこの女!
そんなことも知らないの?
私は後輩だけど、現代史ぐらい知ってるわよ!
キセキさん…。
私は全てを受けれるわよ?
それでも私たちでは満足できないとでも言うの?
平和国へ飛ぶの?
それは…反対だわ!]

[待ってたけど、長いから戻って来たわよ!
次の授業が始まるし…。
さあ、告白の返事を今、ちょうだい!!
蛇の生殺しなんて要らないわよ!]

[今、キセキ君が話したことはよく”その瞬間、歴史が動いた”って番組でも放送されてるわよ!
知ってるわ、馬鹿にしないで頂戴!
もしかしたら…小学生でも知ってそうだわ、そんな馬鹿より私を!]

[そりゃね?
いつもいっぱい4人も女子がいたから言えなかったけど…。
キセキ君が好きだったのに…。
ゼロくんまで転校して、キセキ君が平和国になんて留学したら、このクラスはおしまいよ…。
考え直して…ね?
お願いよ]

[キセキさんの情報がいただけたことは嬉しい…。
でも告白の返事が欲しいの…。
ウンって言うだけで終わるの…]

女子たちが待ちきれなくてキセキの席へ戻って来たらしい…。
キセキが申し訳なさそうに謝罪をしてる。

「君たちの苦しみは分かる…。
しかし、僕は…やりたいことが…。
許してほしい」

『…』

遠くから男子集団の声が聞こえる。

[信じられないぜ…。
結局、カンサイやナデシコ…それからミルルやマナナがいなくても…。
アイツの周りは女子だらけだぜ…]

[俺らがアイツのこと、心配しなくても良いって意味なんですね。
先輩]

[ああ…驚きも良いところだ…。
何人の女子が…さっきから告白して玉砕してるんだ?]

[ヤル気失くしますね…。
僕もこのクラスに来るとビックリです。
灯台さんがモテるって噂は学年中に流れてますが…。
僕のクラスの女子まで、噂を聞きつけて走って来るなんて…]

[俺のクラスは壊滅的だ…]

[確かにそうですね。
僕は学年が下で嬉しいです]

今日は後輩までクラスに連れてるらしいが…。
クラス中の男子から誹謗中傷の嵐だ。
いつもよりも酷い。

「あら?
キセキのことは…もしかして…私が心配しなくてもいいのかしら?」

『・・・』

大丈夫だろう、見れば分かる。

「えっと…タリア、キセキと和解しないの?
さっきから全然、喋ってないみたいだけど‥。
私ばっかりキセキと会話してるわよ?
アンタはそのままなの?
未練がないの?
キセキに…。
何を考えてる訳??」

『・・・』

俺は寡黙なままだが…別に考えなしではない、誤解されてるが…常に思考に没頭してるだけだ。
それからただでさえも無口な俺がキセキと会話するメリットなんてある訳ない。
俺はマナナとは一番会話してると自覚してる。
マナナにだけは特別扱いを常にしてる、そこを理解すべきだ。
俺が喋るのは仕事ぐらいでだ…。
何故、キセキと和解などしなければならないのか??

キセキはHEIWACの参考書から目を離して、女子達へ命令した。

「僕がクラスで一番好きな女子がやって来た、君たちも勉強に燃えるべきだ。
恋愛ばかりで見苦しい…」

『…』

ここだ、俺の地雷は…。
クラスで一番好きな女子が何故、マナナなんだ?
面白いわけがない、ムッとしてる。
そろそろ本命一筋になれば良いモノを。

[キセキさん・・・この女なの?
噂のキセキさんを振って、その親友へ走ったっていう女は…?]

[隣の男、冴えないけれど…灯台くんの親友って本当?
カラーが違うわ。
根暗そうだし…]

[この女は私たちの敵なの?
私たちは…キセキ君、ファンクラブに所属してて…]

「その認識は間違いよ、否定して…キセキ」

根暗男と言われるのは慣れてる。
しかし、俺は聞き役だ、常にそうだ。

「君たち、僕の幼馴染に向かって何ていう言葉遣いだ。
ウルサイから去るべきだ…」

キセキは群がる女子軍団へ困った表情で叱りにかかった。
女子軍団数名は全く引き下がらない。

[灯台さん、告白の返事は…]

「残念だが…僕には本命がいる…。
因みにマナナではない、もう僕のことは忘れてもらいたい」

[ええ・…]

[灯台くんをこの学園から失ったら…私たちは何を信じて生きれば…。
学年中、モサ過ぎる男子しかいないのに…]

[HEIWAC頑張ってくださいね?
それから…私のことも好きに…]

「モテるのも大変だ…。
残念だが、君たちは芸能人の追っかけへ走るべきだ。
僕は別にスターでもない…」

キセキが迫りくる女子軍団、数名へ対応してる。

[キセキさんなら芸能人にもなれます!]

[また明日も来るかもしれないです!]

[アジュオース!]

女子集団は去って行った…。
耳障りだった…。
俺を褒め称えるのならまだ、楽しいモノを・・。
どうしても俺は嫉妬してくる、マナナが言う様に謙虚な精神になれない。
人間だから当り前だ…。

「あの女子集団は・…」

「知らなかったが、僕は後輩からもモテていたらしい。
嬉しい限りだ、巫女様へ昔にした願い事がここまで叶うとは・…」

『…』

「しかし、何故かレイカさんのことだけは叶えてもらえなかった…。
モテるのは確かにうれしいが…。
これほどまでとは…。
さっき、握手会を終えたところだ…」

「握手会!?」

『…』

「愛されると言うことは嬉しくもあり、重くもあるらしい…。
それを身に染みて分かった…。
僕はお蔭で人間が出来そうだ…。
今まで人とは違う経験を積んできた分、人間が出来てると思う」

『…』

俺は人間が出来てるっていう言葉は人から言われて初めて意味があるのであって…。
自分で言うようでは意味のない台詞だと感じてる…。

「キセキ…。
お願いがあるの…」

「何だ?」

「キセキは…学習兄弟を知ってるのでしょう?」

「最近、ボランティアのバイト関係で僕は奴らにはよく会う。
何か用か?
僕は君が奴らと接点を持つことについては反対だが…」

「どうしても…。
大きな声では言えないけど…」

マナナはキセキへ耳打ちをした。
これはあまり俺としては嬉しくない・・。
今にもマナナがキセキの耳へキスしそうなぐらい近い。
怒りが沸点に近付く…。
死んだような眼差しを二人へ送る。

『…』

しかし、内緒話でも聞こえる。

「巫女様が…学習博士にあの地下施設を見てもらいたいみたいなの」

『…』

俺は悪いが許可してない。
勝手に入れても良いのかすら謎だ。
マナナが勝手に話を進めてる。
というか…大丈夫なのか?
ターシャ祭りがないということは関係者以外立ち入り禁止橋になるが…。
あそこを通過できるのだろうか…?

「そうか…それなら…。
僕も行ってみたい、ダメだろうか?」

「許しが出たら…」

マナナが俺を見る、ちょっとだけ機嫌が戻る。
昔は何故か俺だけ全く無視されてた。
最近はマナナが優しい…。

『…』

「そうか…。
君はアドレスを知ってるのか?
大きな声では言えないが…あの女性の…」

巫女様のアドレスを指すのだろう…。
確かに教室でその話がバレルのは、ダメ過ぎる。

「それは…。
実は…」




第4部タリアB


小説目次

第4部タリアD








inserted by FC2 system