アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

木の葉に襲い来る衝撃



カカシ目線


俺はカカシ。
日々、火影としての業務を全うしてる。

それは…。
木の葉の里の秘密会議の途中だ…。

友好条約締結に他里との貿易など…俺は毎日忙しい。
お陰で木の葉の里にも…機械文明が入りつつある。
他里との婚姻も友好条約を通して、可になったのは、最近の話だ。

会議が終わったときだった。
綱手が呟いたのだ。

//昨日は…ナルトの結婚式で…お祭り騒ぎだったが…。
サクラとサスケも結婚したんだってな…。
婚活するかなぁ…//

さも、俺は知ってて同然のように話すが…。
俺は全く知らされてない。

「その話…。
本当か?」

//ああ。
間違いない。
サクラからの情報だ…//

「アイツらが!?
そうか…」

サクラに頼まれて…毎回、サスケにはサクラへの気持ちがどうなのかは…。
尋ねていた。
それから、サクラから手渡された手紙も…一年ほど前に、書類と共に同封したのは…記憶に新しい。

あの時は
「今は生ぬるい。
暇だ。
一年以内にイエローリストになれるだけの任務が欲しい」
と。
突然、飛脚忍者からサスケのメモを手渡されて、サスケには他里との…三重スパイをして貰った。

お陰で…サスケの減刑が早まり、里に月に一日しか滞在許可のないレッドリストから…。
里に半月滞在許可のあるイエローリストに…サスケが変更されたのは…
つい今…この前の話である。

いったい…。
アイツらは…。
いつから付き合っていたのか?

俺は不思議で仕方なかった。

俺はサスケには…。
木の葉の里へ隕石が…空から落ちそうになった時、俺をサスケが助けた恩赦で…。
帰省が許された二年前。
その時、一度程度しか俺は出会ってない。
因みに…あの時、サスケはサクラとナルトには会ってないようだし…。

俺の記憶が正しければ…。
サクラとサスケは…ほとんど会ってない筈だ。

木の葉の里で義手の調合をしてもらったという噂は聞いたが。
それも一瞬だったらしい。
サクラが事件に巻き込まれたとき、たまたまサスケがいたことも一度きりだったらしい。

いったい、いつ…二人は…長年…空いた溝を…埋めたと言うのだ?

この話は…やはり…サクラからのデマではないか?

一瞬、耳を疑った。

サクラは…それでも、サスケのことが…好きで堪らないことは伝わってたからだ。

俺はそんなサクラに胸を痛めていた。
どう説得して…他の男に目を向け差すか…。
リーとかはどうなんだ?と。
毎度、交際の斡旋やら…世話してやってた。

サスケが非情過ぎて…人間として…見てられなかったからだ。

もし…ヤツらが結婚したとすれば…。
やはり…サクラの既成事実か…?
どんな手段を駆使して…サスケに婚姻届の判を押させたのだろうか?
俺は不思議で仕方ない…。

サクラに薬を盛られてヤられて…。
そのあと、サクラがサスケの家に入って…。
判子を盗んで…。
勝手に役所へ紙を提出したのだろうか?

案外、サスケも天涯孤独だ…。
サクラの熱意に…サスケは諦めて、自分の人生はここまでだ…と観念したのだろうか?

サスケが…サクラに脈があるようには…見えなかった。

サスケにも
「サクラを思うなら告白の返事ぐらいしろ。
女遊びも慎め」
とは…手紙をしたためたが…。

あの香燐とかいう女の子とはどうなったのか?
きちんと…別れているのだろうか…?
サクラの苦労が…目に浮かぶ…。
サスケのことは信用してるが…。
俺には…。
サスケがサクラを気に掛けてるように見えなかったからだ…。

サスケも…。
俺と同様に…この一年、多忙を極めたから…。
サクラを差し置き、女遊びに浸れたとは思わないが…。
昔、再会したとき…。
隣に香燐と言う名前の女を侍らせてるサスケを目撃して…。
サクラの心情を考慮すれば…俺はあまり良い気になれなかった…。

サスケは、胸のはだけた露出度が高過ぎる服装で…しかもベタベタと女と常に体を密着させている。
サスケの顔はそれでも平然として眉一つ動かさない…。
サクラには悪いが…あの瞬間、二人は出来ているであろうことが予想されたからだ…。

あの…サスケとサクラが…結婚ね…。

それでも…サクラが喜んでるなら…仕方ない…が…。
俺は…とてもサクラが不憫で仕方ない。

サスケは何を考えてるのか?

サスケの刑期はまだ終了してない。

俺の口出しできる余地もないが…。
まあ…。

これは…サクラのためにもホワイトリスト。
即ち、里に永住権が出るまで一刻も早く対処してやらねばと…。
師匠心だ、肝に命じた。

月日がたつのは早いものだ。

俺も婚活しようか?
今は小説が恋人だ。

会議も終わったし。
これから、この職場で18禁小説でも読もう。
俺は今、とても現実逃避に浸りたいから。

そうだ。
この話、ナルトも知っているのだろうか?

一応、連絡してやるか…。

俺は…携帯電話でナルト宛にメールを送信した。

これも最近、木の葉に入ってきたのだ。
平和続きで…最近では…木の葉も…文明開化の波が押し寄せている。

【[FROM]カカシ
<件名>ナルトへ。
<本文>今、日向とハネムーン楽しんでるか?
突然だが、お前、サクラとサスケが結婚した話、知っていたか?】

これで良しだ。
あとで連絡が来るだろう。

それまで俺はこの18禁小説に読み耽ろう。
俺も…女ナンパ豪遊旅行を企画して…出掛けるかな。

この里にいても花がない。
今は忙しくて暇がないが…。





イノ視点


ここは夜のフラワーショップ。
もう店じまいしたわ。

私はついさっき、サクラから信じられない話を聞かされたところ。

これからサイと夜の熱々デートの予定よ。

それにしても…。

私はとても不思議で仕方ないの。
サクラは…。
いったい、いつからサスケくんと付き合ってたのかしら?
二人は…あまり会ってないはず。

二人は…フィアンセとして婚約でも決めていた仲だった訳ではないはず…。
私はお節介かもしれないけど、二人の仲が心配だわ。

+イノ。
君はいつ見ても美人だ+

≪サイ≫

私の彼氏、サイがやって来たみたい。
私はさっそく…サイにもその話を…伝えてみることにしたわ。

≪ねぇ、サイ?
知ってる?
サスケくんとサクラが結婚したって話…≫

サイも、昔は…サクラやナルトと同じ班だった頃もあるから…私より詳しいかしら?

どうかしら?

+サクラと…サスケくんが?+

≪そうなのよ…。
サクラから聞いて…≫

+サスケくんは罪人だろ?
まだ刑期も終わってないはずだ…+

≪そうね…≫

+サスケくんは…。
君の目から見て信用に値する人物なのか?+

≪……。
サクラはサスケくんのこと、大好きだと思うわ…。
きっと、サクラからじゃないかしら?
プロポーズもそうらしいし。
そう感じるわ≫

+そうか…。
僕は心配だな。
ナルトの方にもメールで伝えておく+

≪ナルト、知ってるんじゃないかしら?
同じ班でしょ?≫

+同じ班でも僕は知らされてなかった。
知らない可能性もある…+

≪そうよね…≫

隣でサイがメールを打っている。


【[FROM]サイ
<件名>ナルトへ。
<本文>野暮用で悪い。
君はサクラとサスケくんが結婚した話を知っているだろうか?】

サイが送信してくれたようだ…。

私も…この話を知り合い全員にメールすべきなのかしら?

私のメアドにナルトは登録されてないけど…。
女友達なら100件ほど登録されている…。

みんな昔はサスケくんを取り合った戦友のメアドなのよねぇ。

あの頃はサスケくんがあんなふうにグレてしまうとは…。
思いもよらなかったけど…。

今はサスケくんのことより…。
サクラのことが心配だわ…。

みんなに聞いてみるべきなのかしらねぇ?

私は携帯を広げた。

+イノ?
君は…?+

≪サクラのために、サスケくんについて…。
昔の知り合いに聞いてみようかしらって。
情報は探れないかもしれないけど。
サクラとサスケくんの結婚を知ってるかしらって?≫

+イノ、君は…。
とても優しいな…。
そして素晴らしく美人だ…+

≪サイ。
ごめんね、少し待ってくれる?≫

私のダーリン、サイは…。
この通り、とても優しい。
いつもファーストレディ。
しかもイケメン。
私ほどの幸せ者はいないと思うわ。

サイと出会えたのは…きっと運命…。

でも…。

いったい、私以外の何人くらいが…。
この話を知っているのかしら?
不思議でしかたがないわ…。

サクラ、
幸運を祈るわ。



 

サスケ視点



実は結婚届の用紙などだいぶ前から盗んでた。
木ノ葉の里の市役所でだ。
去年、サクラからラブレターを貰えた段階で。
こうなることも予想がついた。
暗部マスクさえあれば…紙ぐらい取りにはいける…。

今日はとんでもない行列だと言う噂を聞いている。
サクラは…俺と解散した後…行ったのだろうか?
たぶんそうだろう…。
そんなことを考えながら…俺は任務へ走った。
終われば夜にもなる。

外に月が出てる。
三日月だ。
帰り…どの道通っても…町中が屋台ばかりだ。
ナルト祭りが里で開催されるらしい。
肝心のナルトは有給まで取って、ハネムーンとはアイツは恵まれすぎてる。
俺は怒りも沸く。
里の英雄状態だ。
殆どヤツが俺の手柄独り占め状態だ…。
異常にムカついてる。
俺を褒める人間なんて闇世界の女共ぐらいだ…。
始終、闇世界からのスカウトなら来てるが…断ってる状況だ。
一刻も早く俺は永住権だけでも欲しい。
俺は今、戸籍が汚れて、里の住人ですらない状況だ。
木の葉もいろいろ酷過ぎる。
俺は今、極悪犯罪者として…戸籍には●がついてるらしい。
永住権だけでも欲しい。
俺が木ノ葉の人間じゃないとすると…俺は私生児かよっていう状況だ…。
"うちは"の人間だ。
闇世界から早く完全に里へ戻りたい…。

全ては…ナルトの結婚式のせいで…どこの里中でもお祭り騒ぎだ。
旗まで掛かってる…。

---ナルトthe last公開中---

---見習いたい、映画武勇伝。
ぜひアナタも感動と幸せを映画館で---

本気で全く面白くもない。
まるでこの里では主人公がナルトなノリだ。
カカシよりもナルトの方が全員に祝われてやがる…。

街角には
"映画ナルトthe last"のポスター。
どこまでも石煉瓦の道壁に連なってる。
ナルトとヒナタのツーショットポスター。
背景にサクラ。
この写真だけは本人らしい…。
と言うことは…サクラはナルトと写真を撮ったと言うことだ。
しかも酷い話が…この写真…。
俺だけは里に呼ばれてない。
つまり…俺だけ…俺に変化の術で化けた忍者だってことだ…。
この情報もあとから水月などの大蛇丸傘下の部下を通して知った事実でもある…。

ナルトがヒナタと結婚したと言うだけで。
映画が我愛羅とナルト橋の住人共から主催される有り様だ。
本当に里では面白くもない。

俺は自慢ではないが、闇社会でだけは優遇されてる。
木の葉の里ほど嫌いな里もない。

どこへ突き進んでもナルトのポスターは映画俳優だ。
今回は変化の術でナルトに化けた木ノ葉の里にいる有名映画俳優が演じるアクション恋愛映画らしい。

この写真のポスターだけは本人らしいが。
悪いが…俺の目の力を利用してこんなポスター引きはがしてやりたいと怒りが沸いて仕方がない。

まさか…サクラはこんな映画を見る気はないだろうな?
とムカついてる。
この映画酷いのがサクラのキーホルダーが売ってないことだ。
俺はこれで今日、市役所へ行くのは止めにした。
売っていたら土産物屋の前で、暗部マスクを付けて並ぶ気でいたのに…。

変化の術でサクラに化けた木ノ葉の里にいる有名映画女優が出て来るらしいが…。
どうせ変化の術で化けたナルトとの共演だ。

俺はストーリー展開を見れば…映画館できっと発狂を起こすに決まってる…。

今日は大変だ。

一応、指輪も買った。

指輪はサクラの趣味なんて全く分からない。
シンプルイズベストにしといた。
何でも良いだろう・・。

それから…"うちは"の紋章が入った黒服のワンピースも受け取った。
オーダーメイドだが…前から頼んでた。
サクラのサイズなら知ってる。
ノースリーブにしておいた。
サクラはノースリーブが本当に良く似合う。

いろいろ俺も疲労マックスだ。

一番疲れたのは。

ハッキリ言って。

サクラの両親に土下座してきたことぐらいだ。
アレは死ぬかとも思った。

逃げたかったが…俺は家族を大事にする人間でもある。
しかたなしに御手洗団子を貢いで去った。

思い出したくもない記憶だ。
ついさっき…任務先帰りで御手洗団子なら買ってきた。
夜だと言うのに結構並んだ。
相変わらず売れてる…行列のできる御手洗団子屋で買った。

☆☆☆

つい、先ほどの話だ…。
すっかり夜も更けてる。
一番星も出て来てる。

割りと広めの街路時に面したホワイトハウス…サクラの実家に到着すれば。
玄関は明かりが灯ってる。
いつもはここへサクラは帰るのだろう。
窓にも明かりが灯ってる・・・。
サクラの部屋は2階で…カーテンが桜色だ…今日は…閉まってる。
それが道傍から眺め見える。

昨日、俺はサクラの部屋に初めて入れられた。
泥酔するサクラを送り届けるためにだ…。

まず、”春野”と表札の前にあるインターホンを押した。

||はあい、春野ですが。
どちらさま||

サクラの母親には昨日会ってる。
ナルトの結婚式で酔ってるサクラをサクラ本宅へ連れ帰った時にだ。
インターホンから…サクラの母親が話した柔らかい音声だ…。

ココから先、やっぱり嫌だからピンポンダッシュで逃げようかとも思った。

いつもの服よりは…今、マシな服を着てる。
任務帰りだ…。
ボロ衣装ではさすがに印象最悪だろう。
昨日は予想してなかったから…ボロ服も良いところだった。
端切れを継ぎ足したような衣装でもあった…。
さっき、着替えたところだ。
手洗いで。
任務帰りのほこりまみれでは悪印象だ。

俺に会話なんてスキルはないが…見た目から判断されるものだ。
しかたなしに普通程度の服だ。
しかし…木ノ葉の額宛てはまだしてない。
これもまた誤解されそうな予感もする…。


俺は無言だ…。
顔は固い…いつも通りの無表情だ…。

『…』

時間が数分経過した。
ここで諦め、サクラの自宅前にある郵便受けに御手洗団子を入れようと決意した。
しかし…運が悪く郵便受けは書類の山で入らない。
仕方なしに…チラシなどはよけて、郵便受けの外に出して、御手洗団子を入れようかとも思った。
郵便受けが…ギュウギュウに詰められてる…。
チラシは地面に落とす決意をした…要らないだろう…。
新聞は…中に入れとこう…。
俺がサクラ宅の郵便受けをガサゴソ漁って苦戦してると…。

応答がないから不審がったのか…。
数秒後…。
サクラの母親が不審そうに…出て来た。

サクラの母親は雰囲気が肝っ玉母ちゃんという雰囲気だ。
俺の母親とは似ても似つかない。
気さくな雰囲気でもある。
髪は5つに分かれ、オレンジ色で…昨日はニコニコしてた。
しかし…今日は笑顔が引き攣ってる…。

俺は慌てて、郵便受けから御手洗団子を戻して…背中に隠した。
地面にはチラシが散乱してる。
もう、俺は不審者も良いとこだ。

||あなたは…。
えと…。
昨日、会ったわよね?
サスケくん。
えと…。
サクラを介抱してくれたのよね?
今…何を…。
うちの郵便受けに…何の用?||

サクラの母親の目が動いてる。
愛想笑いだとすぐに分かるレベルだ。

『…』

俺は返事すら出来ない状況だ。
目は死んでる。
いつも俺の行動は何故か里では犯罪者扱いだ。

||サスケくん。
サクラが…あなたと結婚するって喚いてたけど。
あれ、本当なの?||

急にサクラの母親は神妙な顔に豹変した。
表情がクルクル変わってる。
サクラは母親の性格に似てる気もする…。

『…』

本気で声が出ない。

||今日は何の用事かしら?
インターホンから声も出てなかったから、私、驚いたのよ。
名乗ってくれれば良かったのに。
もう、不審者かと思って…心臓が止まるかと…。
冷や冷やしたのよ…。
で…郵便受けから今…何を取り出して、背中に隠してるのかしら?
サクラの話は嘘よね?
否定してくれるかしら?||

サクラの母親は俺を睨んでる。
威嚇してる。

『…』

これを聞いて…やっぱりもうサヨナラをしようかとも思ったが。

目を瞑って、土下座だけした。

||サスケくん…。
え?||

上から間抜けな声がする…。

『…』

ココから先、パニックで何も出来ない。

||サスケくん、まさか…今までのこと、謝ってくれてるのかしら?||

サクラの母親は…たどたどしい音声になってる。

声すら出ない状況で…。
俺は立ち上がり、みたらし団子を突き出した。

||これは…。
えと…。
ありがとう||

御手洗団子を渡した途端、急に頬が赤くなった。
よほど好きらしい。
花より団子らしい…。
ここの御手洗団子がサクラの家…ご用達である情報は去年、得ている…。

終わったし、もう帰ろうかとも思った。
俺は背を向けた。

||サスケくん、待って。
まさか…本当にサクラと結婚になるの?
嘘でしょ。
それと…さっき、郵便受けから取ったのは何なの?
まさかウチの家の重要書類?
結局、何だったの?

えと…言葉だけでも欲しいんだけど。
全くこれでは私、誠意なんて感じないわよ。
天塩かけた一人娘よ。
いくらなんでも御手洗団子だけなんてあんまりだわ…。
サクラの話は嘘よね?
これはどういう意味なの?||

俺の背後から…キツメの口調だ。

サクラの母親がした意見も…もっとも話だ。
今日は割りとカジュアルな普通の服だ。
相変わらず背中には"うちは"の家紋はあるが…。
第七班の頃に着ていた服にも近い。
カカシやその他の忍者共が着てる服に近い正装だ。

常はもう、端切れで継ぎ足したボロ服だ。
そのまえは胸元空きすぎの服で。
俺は見た目からして…悪印象を与えただろう…。

しかし…それにしても…。
サクラの母親の目が…俺は…見れない。
今まで悪事散々だったからだ。
昨日の方がまだ見れた…。
今日は特にだ。
これからすることを思えば…。
帰ったらきっと、サクラと初夜に決まってる…。
エロい妄想が頭に流れた。

『これからは過去を忘れ、全うになります。
サクラは幸せにします』


俺は会話なんて苦手だが…仕方なしに、背中を向けて言葉を出した。

低い渋い声にもなる…罰が悪すぎだ。
それだけ伝えて走り去った。

||サスケくん…。
まだ足りないわよ?
嘘でしょ?
サクラの嘘よね…。
確か…サスケくんは…贖罪の旅の途中で…。
まだ刑期が終わってないと聞くわ…。
ちょっと、待って…。
サスケくん…まさか…それだけなの?
どうやって、ウチの子と。
いつ仲良く…。
ちょっと…サスケくん…||

後ろでパニックを起こしたサクラの母親が…物凄く大きな声で喚いてたけど、無視した。
本当に疲労マックスだ…。

||本気で今日、結婚なの?
何も言ってないわよ…。
ええ…。
幸せにするってまさか…||


まだ後ろの方でパニックを起こした声色がする…。
割りとサクラと似てる性格らしい…。
サクラの母親も…。

サクラの母親はしかし、俺を追いかけては来ない。
詰め寄って尋問されるかとも思ったが…。
殴りに来られるかとも思ったが…。

だいぶ離れてから…角に入り、そっと後ろを確認のため、覗き見れば…。
サクラの母親は…気絶して倒れてた。
ショックがよほど酷かったらしい…。
まあ、理解も出来る…。

☆☆☆


俺はあれでは点数を稼げなかったのでは。
と危惧してる。

サクラの母親には幻術でも掛けて…洗脳すべきだったのかとも…。

また会うのも嫌な話である。
サクラと似てる性格なら…良い方向に俺への誤解が転んでくれることを祈る…。
サクラはいつも俺が望む方向へ誤解してくれる人間だからだ…。

俺はサクラの両親は殺しても良いぐらいの気だったのだから。
今もサクラだけだ。
会うのは猛烈に窮屈な気分だ。
自分に歯向かう者は全員、制裁を下す気でいた…。
手段を選ばない気でいた。

現在も…サクラのために良い子さんを演じているようなものだ。
会わない方がマシだったんじゃないかと…。
サクラの家から離れてから思ってる。

俺ほど、こういう精神的なことに弱い人間もない。
俺は会話スキルはゼロに等しい。
ピンポンダッシュで、玄関の郵便ポストに御手洗団子を入れとくべきだったかとも思ってる。

メモに…。
謝罪の気持ちです。
サクラと同班のサスケより。

と一言、書いておくべきだったかとも。

しかし、毒でも盛られてると思われても困るので、直接渡せた。
これは功績だ。

俺は脅す以外の方法で交渉なんて無理だ。
もしかしたら…これが人世初めての…脅す以外の方法でする交渉なのかもしれない…。
まだまだしなければならないことだらけだ。

自宅への道はもういろいろ考える。

☆☆☆

まっすぐ家に帰るべきだ。
しかし…鞄に入ってる"うちは"の黒服ワンピースをいつ渡すか。
あと…指輪もいつ渡せばいいのか。
それから…いっぱいだ。

帰ったらきっと…。
期待ばかりだ。
今日ほどムラムラする日もない。
サクラの母親には精神的に責められ…。

あまり…ぼんやり考えすぎてたのか。

道で止まってた。
月が出てる…。
何故か走って帰ろうと言う気でもない。
普通にゆっくり帰ってる。
冷静になりたいらしい。

今日はきっと初夜になる。
火照って仕方ない。
サクラはどうなのか。
そんなことばかり考えてる。

エロしか頭にないまま、ゆっくり自宅へ足を忍ばせてる。
サクラは今、家にいるだろうか?
少し遅くはなってる。
今、8〜9時頃なのか?
10時か…。
時間も分からないレベルだ。

今日はきっとなる筈だからエロ本しか昨日は読んでなかった。
もう頭の中それしかない。
どうすれば冷静に戻れるのか。
外の空気に当たってるが全く冷静になれない。

結婚になる分、ゴムは要らないはずだ。
俺は付けたこともない。
買ったこともない。
買わずに済んでよかった。

生なんだろうなとそんなことぐらいしか頭にない状況だ。
全然、普通になれない。
サクラとヤッテル映像ばかり頭の中に流れてる…。
任務帰り、サクラの母親と解散して…今日のタスクが終わってから…ずっと。

これでどんな会話をしろと言うのか。
会ったらできるのか。
それしか頭にないらしい。

水を浴びたい気分でもある。
自宅、帰ってサクラがいなかったら…俺は怒り狂う。

☆☆☆

自宅に着いた。
盗まれるものなど何もない。
強いて言えば大切なものは保管庫に入れてる。
俺ほどのスキルから取れる者などほとんどいない。
俺並みの強さはナルトぐらいだ。
ドロボウが入ればナルトを疑えばいい。

鍵はワザと開けてたが…。
自宅へ着けば…。
玄関の門戸に明かりが灯ってる。
それから…鍵が閉まってる。

ということは…。
この先にサクラがいると言うことだ。
しかも…道端に花まで添えてる…。
サクラしかこんなことをしそうな人間もいない。
きっと、いる。

インターホンをそこで押す気にはなれなかった。
会えば余計にムラムラしそうな気もするし、驚かせようかとも思った。

鞄に入ってた鍵で屋敷の引き戸を開ける。
音は立てずに潜入する。
自宅なのにドロボウの気分にもなれる。

渡り廊下を歩く時もいやにゆっくりになった。
これからすることと言えばアレしかない。
そんなふうに頭は…やられてる。
全く冷静にはなってない。
本気で、風呂場で水浴びしたいが。

もう慣れた方がお互い良いかもしれない。
サクラは絶対、今日こそ犯す。
そんなことばかり考えてる。
期待値が物凄く上がってる…。

明かりがついてる。











サクラは三人だけに伝えた

目次

サクラの新婚生活初日













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