サスケの居場所づくり(サクラ)
私はサクラ。
念願の夢が叶って嬉しくてたまらない。
サスケくんは家にいるとき、課題にずっと集中してるのか…喋ってくれないのが辛いところ。
ちょっとショボーン。
分かってる。
きっと、サスケくんもこの里で認められるために必死なのが…。
私はサスケくんのために、カカシ先生や綱手様、それからナルト…それからイノを介して…女子100名程度に、
サスケくんがこの里で知名度が上がるように…噂を流してもらえるように頼み込んだ。
きっと、これでサスケくんも里での居心地がよくなるはず。
最近のサスケくんは目が優しい。
きっと、私の頑張りも効いているんだと思う。
サスケくん…、サスケくんの悪口が聞こえたら私、全力でボコるからね。
新婚なのにつまらないから、昨日は…色仕掛けしたんだよ。
サスケくんの知り合いの人から要らなくなったからって、いただいた秘密の箱を発見してしまって。
私、ビックリしたけど…。
でもサスケくん、課題に忙しくて…新婚だというのに全く構ってくれないし。
面白がって、衣装着てみたけど…。
色仕掛け…成功したみたい…てへ。
サスケくん…戦後から恋愛にも興味が湧くようになったみたいで…、色仕掛け効いて…よかった…てへ…。
でも私、終わったら倒れちゃったから…サスケくんと結婚してから、ほとんどどまともな会話を交わしてない気がする。
サスケくんを目の前にすると…喋りたいことがたくさんあるのに…頭がショートしてしまうみたいで…。
ナアナアになってしまう。
☆☆☆
「サスケくん…おはよう…」
朝食中もサスケくんは無表情で…真剣に課題仕事に取り組んでて…。
『おはよう、サクラ』
一応、挨拶はしてくれる…。
こっちは振り向いてくれず…机の前の課題用紙を見詰めてる。
少しつまらない。
理解はしてるけど…。
サスケくん、今日も格好良いな。
惚れ惚れするな。
「えとね…構ってほしいな…だめかな?」
でも私、寂しいから…対応してくれないし…サスケくんの右肩に胸を引っ付けてみたんだよ。
効くかな…って不安だったけど…。
サスケくん、胸だけ揉んでくれて…ポッ。
私の色仕掛け、効いたみたい。
よかった…。
てへ。
『帰ってからにする』
「サスケくん…」
忙しいから、構えなくてゴメン…って意味かな?
サスケくんのお仕事邪魔しちゃわるいよね…分かってる。
ごめんね。
サスケくん、たまらなく格好良い…。
キューンとなる。
サスケくんの里での居場所づくり…応援してるね、私。
それこそ…サスケくんが泣くほど求めてたものだから…。
☆☆☆
サスケくんが出発の時間だ。
もちろん、お見送りする。
「いってらっしゃーい、サスケくん」
『行ってきます、サクラ』
サスケくんが玄関先で挨拶してくれる。
何だかうれしい。
長年の夢が叶ったよ。
サスケくん、大きくなったね。
背が伸びた。
私はサスケくんに手を振った。
そこで忘れ物に気が付いた。
「ね、ね。
行ってきますの前に…キスして」
『帰ったらな』
サスケくんの声、低い。
それから顔、無表情。
「え?」
『今から職場へ行く』
「今したいな」
でも少し間があるよ。
もしかして…奪っちゃっても良い?
「サスケくん…えと…私からしても良い?」
サスケくんしてくれなさそうだから、私から。
キャーーー。
ドキドキ。
反応ないけど…サスケくん、別に怒ってないみたい…ホッ。
何だかサスケくんとこんなことできるの夢みたい。
私の夢を叶えてくれてサスケくん、ありがとう。
『じゃな』
それだけ答えて…サスケくん、行っちゃった。
任務、忙しいんだよね。
いつも構ってくれてありがとう…サスケくん…。
顔、真っ赤だよ。
今。
これ、夢オチ?
☆☆☆
それにしても今日は行ってきますのキスが…なかった…しゅーん。
私からだった。
私からでも…受け入れてくれるんだもの、よろこばなくちゃ。
そう言えば。
聞いてなかったけど…サスケくんは…私のどこら辺が好きなのかな…?
『サクラ、前から思ってたけど…』
「何?」
『お前、俺のどこら辺すきなの?』
私はサスケくんに、結婚二日目夜に…玄関先で…尋ねられて…。
「格好良いから。
あと優しいし。
それから強いし。
あとは…」
こう答えたの。
『もういい。
ありがとう』
そしたら…サスケくんに…止められて…。
「サスケくんはどうして、私と?」
『…。
サクラ、分かるだろ?』
「何が?」
『…………』
サスケくんにここで…デコピンされて…。
それから…。
『そのうち分かる。
人間なんてそういうもんだ…』
私、返事交わされて…。
「サスケくん…」
『サクラ、これからよろしくな』
そう言えば…。
あのあと…少しの会話を挟んで…。
あの直後…。
『俺はこれからお前に…ひたすらの快感を味合わせる』
なんだか…えげつない展開になったんだったけ…。
ギャアアアアアアア。
ああ・・・。
確か…あれから…先週は…猛烈だったんだよね…。
今、思い出した…。
あは・・・。
サスケくんから告白されたのは結婚二週間目…一昨日の出来事だし、感動のあまり聞くの忘れてた…。
☆☆☆
『三年前…戦後の再会を交えて。
俺のような反逆者を…こんなにも長年深く愛してくれる女はお前しかいないと俺は感動した。
俺はそれまで恋愛に興味はなかった。
お前が想像する女遊びもしてない。
お前が俺の心を溶かした。
お前が…俺の初恋だ。
だから、あの日から…俺はお前に人生を捧げると決意した。
誰でも良いわけではない。
一番酷い瞬間も…昔も…慕ってくれたお前だからこそ…。
お前と生涯を共にしたいと…戦後すぐ計画した。
プロポーズはこちらからする予定だった。
これからも側にいてほしい。
お前が見捨てなかったから…現在の俺がある。
恩は忘れない。
命に代えても幸せにする。
待ってくれてありがとう。
お前を深く愛してる。
昔のことは詫びる。
信じてほしい。
これから罪は償う。
俺はお前のために…これから生きる』
☆☆☆
サスケくんはこんなふうに…私に愛を伝えてくれた…思い出すたびに…ニコニコする。
しかも…裸で寝室の布団の上に座りあって…抱きしめてもらったときに…。
ぎゃあアアアアア。
それにしても…
戦後、私のサスケくんへの深い愛が…サスケくんの復讐に燃えた心を溶かし、恋に落ちたって言ってくれたけど…。
どこらへんを気に入ってくれてるんだろう?
不思議でしかたない。
やっぱり…私の性格なのかな?
聞いてみたいな…。
サスケくん、なんて答えてくれるかな…えへへっへ♪
サスケくんが帰ってきたら聞いてみよ〜っと♪
☆☆☆
私は、サスケくんが…どうして、あの当時、あそこまで荒れたのか…。
サスケくんが持つ一族への復讐心が…里を恨み、私たちに刀を向ける結果になったんだと。
そういうふうに受け止めてる。
当時は…理解できなかったけど、朝は毎朝、仏壇に手を合わせてる。
仏壇の前には、線香と花と…サスケくんの失った家族。
私には両親もいて。
ずっとサスケくんの苦しみに…気が付いてあげられなかった。
もっと前に…気が付いてあげられたら…何かが変わったのか。
それは分からない。
この辺いったい…広すぎることは分かる。
この辺いったい…人間が全員、里のせいで消えた。
周辺の道端に…墓だらけ…。
その悲しみは…私だからこそわかる。
当時、サスケくんの家の周りを…徘徊してた私だからこそ。
昔の私は内気で…サスケくんには、声も掛ける勇気はないけど…ここへ訪れては、向かいの"うちは饅頭"だけはせっせと買ってた。
ある日突然、道の前に"立ち入り禁止"の看板が出て、幼さゆえに深く追及はせず…
(サスケくん、引越ししたんだ)
それで終了してしまった。
この辺いったい全部が…サスケくんの一族の城とは…知らなかった。
サスケくんが入る屋敷だけ…サスケくんの家で…。
他は…饅頭屋はあるけど…どうなのかも不明だった。
幼すぎて…この町の異様さに気が付いてあげられなった。
看板を覗けばすぐ分かったのに…屋敷の周りをウロウロすることだけで精いっぱいで。
胸は満足して…他をする気になれなかった。
そのことに後悔をしてる。
私が、里でサスケくんの"居場所"になってあげれたらいいなと願う…。
私は、サスケくんを責める気にもなれない。
この家で暮らしてから余計だ。
サスケくんが刑期でいない一週間は…恐ろしいほどこの辺一帯は…広すぎる。
お化けが出そうで仕方ない。
私が…サスケくんの失った心を、埋めてあげれたら…と結婚してから更に願うようになった。
☆☆☆
「綱手様」
//サクラか…//
綱手様は書類と睨めっこ。
≪サクラ…遅いわよ。
早く手伝ってちょうだい≫
これはイノの声だ。
私には、今日もやらなきゃらない仕事が…たんまり。
「わかったわよ」
新しい薬の調合を試行錯誤してる。
私は、木ノ葉の平和に大きく貢献したい。
それから…サスケくんの居場所を守ってあげたい。
≪サクラ…。
サスケくんとはうまくいってる?≫
最近、毎朝…イノには聞かれる。
「うん。
サスケくん…優しいよ」
≪そう…≫
「早く、サスケくんの里での信頼が戻ればな…」
≪私からも全面協力するわよ。
今日はこの薬の材料リストを…混ぜる実験ね。
それから…この薬草は…木ノ葉にはないから…。
それとなしに…他の忍者に取って来てもらうように…依頼して…≫
「分かったわ。
イノ。
サンプルをとりあえず…調合してみる」
薬は調合の比率が命だ。
微々たる量が生死を分ける。
今日の薬は…弱ったときに…体力回復が願える薬。
病人が飲めば…気休めになれるはず。
しかし…何回も爆発してる。
これで合ってると思うけど…これでは危険物だ。
これを少しずつ微調整して…使える代物に変えていきたい。
それ以外にもたくさん…してる。
私は…私の夢は…。
サスケくんのお兄さんが、亡くなった病気に興味がある。
私は…サスケくんのお兄さんが元気であれば…サスケくんは…。
あんなことにはならなかったのじゃないかと…思い悩んでる。
何の病気だったのかは…サンプルも少ないし…ずっと、分からない。
ただ…サスケくんがその病気にならないことだけを祈ってる。
病気のせいで死んでいく人間が…木ノ葉からなくなり…。
それから…平和に力を注ぎたい。
≪サクラ、頼まれた花。
バケツに入れておいたわよ≫
「ありがとう…イノ。
じゃ、これ…。
代金ね」
≪預かったわ。
それから…サクラ。
私…もうすぐ、サイとゴールインよ。
祝儀は返してもらうわよ≫
「わかってるわ。
イノ、おめでとう」
サイともうすぐ結婚らしい…。
☆☆☆
サスケくんは、今日、遠い里みたい。
いつも…どこに行ってるのかは極秘任務だから、神出鬼没みたい。
最近、よくお土産買ってくれる。
本音はサスケくんと仕事したいけど…サスケくんが、自宅に留まってくれるだけでも…感謝すべき配慮だ。
私は…カカシ先生には、とても恩がある。
毎回、頼み込んでる。
医療班が終われば…立ち寄ることも多い。
「カカシ先生」
「サクラか…。
サスケとは…喧嘩してねえか?
どうだ?」
会う人会う人に同じことを聞かれる。
サスケくんは里で…まだまだ信用されてないのが…わたしに…伝わって来て、わたしは悲しくなる。
「もちろんです。
サスケくん、必死で…。
毎日、課題仕事ばかりで〜。
全然、かまってくれなくって」
「そおか…。
俺がたまには構ってやる。
アイツは課題に忙しいからな…」
「もすこし、新婚なのに…。
あそんでくれてもいいのに…。
サスケくん…」
「まあ、俺が代わりに説得する訳でもないが…。
アイツもアイツなりに忙しいんだろう…。
いつも遠方ばかり飛び回ってもらってるからな。
暇さえあれば…カグラの情報探しに精を出してもらってる」
「ちぇ〜〜」
「しかしだ。
アイツは最近、変わった、俺にもわかる。
目つきが優しくなったな…。
俺もサスケが羨ましい…独身の身は痛い…」
「え?
そうおもいます?
私、もう。
本当に頑張ってると思います!!!」
「そうだな。
ま、のろ気は要らん…」
カカシ先生は溜息を吐いて…小説を読み始めた。
何の小説かは…表紙が隠されていて…分からないけど…。
カカシ先生のことだから…自来也師匠は亡くなったけど…。
似たような傾向の作者の小説か…。
「カカシ先生…。
まさか…18禁小説を・…」
野暮なことを聞いちゃった。
意味が分かる歳だからこそ…少し戸惑ったかも…口にしてから。
「おまえも察するんだな…。
いい大人なんだから…」
「はーい」
今日も対談終わり。
これは…全部、サスケくんの居場所づくり斡旋目的だ。
全部…。
イノや綱手様やカカシ先生にしてることは。
これぐらいしか…私は出来ない。
いつも頼み込んでる。
☆☆☆
最後はナルトだ…。
ナルトがいる…仕事場に進む。
ナルトがいるのに…どうして…サスケくんだけこの里にいないのか…。
それは毎回、悲しくなるけど…。
私、家に帰れば会えるんだよ。
うれしくて。
それなのに…毎日じゃないのだけが…残念。
早くサスケくんの刑期が終わるように…毎日、みんなに圧力かけに行ってる。
「ナルト」
「何だってばよ!」
「あんたもサスケくんの減刑に協力しなさいよ」
「おうってばよ、サクラちゃん。
俺、サクラちゃんのために頑張るってばよ」
「それだけよ。
毎日でも言ってやるわ。
協力し損ねたら…チャンス見逃したら。
ただじゃすまないからね。
アンタは…ボコるからね」
私はナルトには何故か昔のノリになる。
「サクラちゃん、こわえってばよ…」
「ふんっ。
昔、私のこと好きでもないのに…。
私とサスケくんとの恋路を邪魔した罰よ」
「悪かったてばよ…私とサスケくんとの恋路を邪魔するつもりじゃなかったてばよ…本当だってばよ…。
俺、サクラちゃんのこと好きで構ってほしかっただけだったんだってばよ…」
「ふんっ…」
(あんたの好きは…ラーメンのように好きなんでしょ!
余計な迷惑よ!!)
「そういりゃ…サスケ、また帰って来たんだってばか・…?」
「そうよ」
「そっか…」
「じゃね」
「おうよ」
私はナルトをアッサリ部屋に捨てて…去った。
その途中、ヒナタとすれ違った。
||「サクラさん…サスケくんとは…そ、その…」||
「うまくいってるわ。
相談乗ってくれてありがとう」
||「よかったです…」||
「それじゃ、ナルトとゆっくりね」
||「サクラさん…」||
ヒナタの顔は真っ赤だ。
ナルトにはあまり興味ない…。
最近、特にサスケくん中心の生活になって来た。
だって…私たち夫婦なんだもの…。
キャーーーー。
ポ。
木ノ葉の里…忍者職場集合施設の外へ出た。
☆☆☆
そのあと…サイにもバッタリ会った、リーさんにも。
リーさんは木ノ葉の医療班や火影室などが密集する塔の外で…。
逆立ちして…歩いていた…。
リーさんはあの一件以来。
私とは挨拶だけで距離を置くようになった。
修行に専念と…弟子を育てるのに・・・必死みたい。
<サクラさん、良い空気ですね。
結婚しても、僕のこと忘れないでください
毎日楽しいです!青春です…。
弟子との猛烈修行するのが楽しくて…。
生き甲斐です!>
爽やかだ。
リーさん、本当…ガイ先生そっくりの師匠になりそう。
☆☆☆
サイには…。
底から少し離れた…塔の庭で会った。
多分…イノを待ち伏せしてるのだろう。
最近は…待ち伏せして…フラワーショップまで向かってるみたい。
+サスケくんとは大丈夫か?
君はいじめられて、泣いてないか?
それだけ心配だ。
第七班のメンバーとして…僕たちは君たちのことを知る権利がある…+
と私を見るなり、ウルサイ。
「サスケくんは優しいわよ、余計な心配しないで」
吐き捨てた。
いい加減、サスケくんのこと認めてもらいたい。
もうすぐ…イノとサイはくっつくらしい。
サイは…サスケくんを目の敵にしてる…。
理由は昔、イノが…サスケくんを慕ってたと聞いて以来だ…。
サイは『あんな男のどこが良いのか分からない、君もイノも相当…悪趣味だ』
と批判しまくってた。
最近ではイノのフラワーショップに頻繁にサイがいるから。
花を買ったら私は…すぐに去る。
イノに
≪空気読みなさいよ、サクラ≫
とズケッと睨まれてくるからだ。
私の帰りが遅いと…翌日、医療班でイノは怖い。
ハッキリ、文句言われる。
≪サイも嫌がってるのよ…。
サクラはサイを見たら…3秒で帰ってね?≫
とウルサイ…。
どうも…私はイノに目の敵にされてる節があるみたいで…。
サイのことで…。
イノは…私がサスケくんと引っ付いたことに…大賛成みたい。
☆☆☆
≪あんたも偉いわね。
私は昔はサスケくん、好きだったけど…。
今はサイ一筋になってしまったわ。
サスケくんの刑期はどれぐらいなの?≫
「何年でも私、待ちたい。
そう決めた」
私の声が…切なさから小さくなっていると…。
≪そう…。
私は…あんたのこと、見守ってるわ。
私、これからサイと夜のデートだから。
あんたもあまり遅くなる前に家に帰りなさいよ≫
この調子で…イノに、里抜けの道辺りで…いつも相談に乗ってもらえた。
私が里で…相談に乗ってもらえたのは…ナルトとサイと日向ぐらいのものだ。
☆☆☆
カカシ先生は…私とリーさんを斡旋してばかりで困ってた。
「サスケのことは諦めろ、俺からは言えんが…脈があるとも思えん。
おまえの手紙に返事もない」
宣告されたときは…私泣いた。
「俺が悪かった、泣くなサクラ。
おまえにはリーがいる」
「カカシ先生…嫌です。
私、サスケくんじゃなきゃ…」
毎日この調子だった…。
☆☆☆
それからサイは…
+君はナルトに捨てられたのか…そうか。
君みたいな女が結婚できるのか…僕は心配でたまらない。
君はガサツだからな+
と言われてた。
その台詞にも…イノは激怒してたらしい。
≪サクラ?
私のサイには…声を掛けないでくれる?
私たち、親友でしょ?
親友の恋路には協力するものよ?≫
イノの表情は引きつってた。
鬼の笑顔だ。
イノのアレは…嫉妬だ…絶対。
それからサイの言葉はお節介だ。
☆☆☆
でも…ものすごく、イノには相談に乗ってもらえた。
昔では考えられないくらい。
そのときもいつも
≪どうして、サクラだけがサイと同じ班で。
私は違うの?
サイに少しでも触ってみなさい?
どうなることか分かっているわね?≫
と本当に怖かった。
イノらしい…。
イノが、サイを大好きなのが…フラワーショップにいると伝わってくる。
サイは…満更でもないみたい。
私は…二人の恋のキューピットになれたはずだ。
ナルトと日向の恋もキューピッドになったけど…。
そのお蔭で…サスケくんの居場所づくりも…みんなに全面的に協力してもらえるのが嬉しい。
助け合いの精神で…この里では御恩と奉公が回ってる。
今日も…何とか、お花は買えた。
この頃は…医療班に持ってきてもらって…手渡されて…お金払ってる。
サイが来てる時…お店に私がいると…イノが翌日怖いから。
それからサスケくんの家に到着して…仏壇の花を交換する。
少し、しおれてたから。
サスケくんの亡き家族が…サスケくんが…少しでも癒されるように。
私は…助力してる。
私は…これから先もサスケくんの笑顔のために生きたい。
あまり笑ってくれないのは昔からだけど…『目が優しくなった』って…。
カカシ先生に言われて…わたしはうれしい…。
☆☆☆
あとがき
目次
サクラの深い愛
念願の夢が叶って嬉しくてたまらない。
サスケくんは家にいるとき、課題にずっと集中してるのか…喋ってくれないのが辛いところ。
ちょっとショボーン。
分かってる。
きっと、サスケくんもこの里で認められるために必死なのが…。
私はサスケくんのために、カカシ先生や綱手様、それからナルト…それからイノを介して…女子100名程度に、
サスケくんがこの里で知名度が上がるように…噂を流してもらえるように頼み込んだ。
きっと、これでサスケくんも里での居心地がよくなるはず。
最近のサスケくんは目が優しい。
きっと、私の頑張りも効いているんだと思う。
サスケくん…、サスケくんの悪口が聞こえたら私、全力でボコるからね。
新婚なのにつまらないから、昨日は…色仕掛けしたんだよ。
サスケくんの知り合いの人から要らなくなったからって、いただいた秘密の箱を発見してしまって。
私、ビックリしたけど…。
でもサスケくん、課題に忙しくて…新婚だというのに全く構ってくれないし。
面白がって、衣装着てみたけど…。
色仕掛け…成功したみたい…てへ。
サスケくん…戦後から恋愛にも興味が湧くようになったみたいで…、色仕掛け効いて…よかった…てへ…。
でも私、終わったら倒れちゃったから…サスケくんと結婚してから、ほとんどどまともな会話を交わしてない気がする。
サスケくんを目の前にすると…喋りたいことがたくさんあるのに…頭がショートしてしまうみたいで…。
ナアナアになってしまう。
☆☆☆
「サスケくん…おはよう…」
朝食中もサスケくんは無表情で…真剣に課題仕事に取り組んでて…。
『おはよう、サクラ』
一応、挨拶はしてくれる…。
こっちは振り向いてくれず…机の前の課題用紙を見詰めてる。
少しつまらない。
理解はしてるけど…。
サスケくん、今日も格好良いな。
惚れ惚れするな。
「えとね…構ってほしいな…だめかな?」
でも私、寂しいから…対応してくれないし…サスケくんの右肩に胸を引っ付けてみたんだよ。
効くかな…って不安だったけど…。
サスケくん、胸だけ揉んでくれて…ポッ。
私の色仕掛け、効いたみたい。
よかった…。
てへ。
『帰ってからにする』
「サスケくん…」
忙しいから、構えなくてゴメン…って意味かな?
サスケくんのお仕事邪魔しちゃわるいよね…分かってる。
ごめんね。
サスケくん、たまらなく格好良い…。
キューンとなる。
サスケくんの里での居場所づくり…応援してるね、私。
それこそ…サスケくんが泣くほど求めてたものだから…。
☆☆☆
サスケくんが出発の時間だ。
もちろん、お見送りする。
「いってらっしゃーい、サスケくん」
『行ってきます、サクラ』
サスケくんが玄関先で挨拶してくれる。
何だかうれしい。
長年の夢が叶ったよ。
サスケくん、大きくなったね。
背が伸びた。
私はサスケくんに手を振った。
そこで忘れ物に気が付いた。
「ね、ね。
行ってきますの前に…キスして」
『帰ったらな』
サスケくんの声、低い。
それから顔、無表情。
「え?」
『今から職場へ行く』
「今したいな」
でも少し間があるよ。
もしかして…奪っちゃっても良い?
「サスケくん…えと…私からしても良い?」
サスケくんしてくれなさそうだから、私から。
キャーーー。
ドキドキ。
反応ないけど…サスケくん、別に怒ってないみたい…ホッ。
何だかサスケくんとこんなことできるの夢みたい。
私の夢を叶えてくれてサスケくん、ありがとう。
『じゃな』
それだけ答えて…サスケくん、行っちゃった。
任務、忙しいんだよね。
いつも構ってくれてありがとう…サスケくん…。
顔、真っ赤だよ。
今。
これ、夢オチ?
☆☆☆
それにしても今日は行ってきますのキスが…なかった…しゅーん。
私からだった。
私からでも…受け入れてくれるんだもの、よろこばなくちゃ。
そう言えば。
聞いてなかったけど…サスケくんは…私のどこら辺が好きなのかな…?
『サクラ、前から思ってたけど…』
「何?」
『お前、俺のどこら辺すきなの?』
私はサスケくんに、結婚二日目夜に…玄関先で…尋ねられて…。
「格好良いから。
あと優しいし。
それから強いし。
あとは…」
こう答えたの。
『もういい。
ありがとう』
そしたら…サスケくんに…止められて…。
「サスケくんはどうして、私と?」
『…。
サクラ、分かるだろ?』
「何が?」
『…………』
サスケくんにここで…デコピンされて…。
それから…。
『そのうち分かる。
人間なんてそういうもんだ…』
私、返事交わされて…。
「サスケくん…」
『サクラ、これからよろしくな』
そう言えば…。
あのあと…少しの会話を挟んで…。
あの直後…。
『俺はこれからお前に…ひたすらの快感を味合わせる』
なんだか…えげつない展開になったんだったけ…。
ギャアアアアアアア。
ああ・・・。
確か…あれから…先週は…猛烈だったんだよね…。
今、思い出した…。
あは・・・。
サスケくんから告白されたのは結婚二週間目…一昨日の出来事だし、感動のあまり聞くの忘れてた…。
☆☆☆
『三年前…戦後の再会を交えて。
俺のような反逆者を…こんなにも長年深く愛してくれる女はお前しかいないと俺は感動した。
俺はそれまで恋愛に興味はなかった。
お前が想像する女遊びもしてない。
お前が俺の心を溶かした。
お前が…俺の初恋だ。
だから、あの日から…俺はお前に人生を捧げると決意した。
誰でも良いわけではない。
一番酷い瞬間も…昔も…慕ってくれたお前だからこそ…。
お前と生涯を共にしたいと…戦後すぐ計画した。
プロポーズはこちらからする予定だった。
これからも側にいてほしい。
お前が見捨てなかったから…現在の俺がある。
恩は忘れない。
命に代えても幸せにする。
待ってくれてありがとう。
お前を深く愛してる。
昔のことは詫びる。
信じてほしい。
これから罪は償う。
俺はお前のために…これから生きる』
☆☆☆
サスケくんはこんなふうに…私に愛を伝えてくれた…思い出すたびに…ニコニコする。
しかも…裸で寝室の布団の上に座りあって…抱きしめてもらったときに…。
ぎゃあアアアアア。
それにしても…
戦後、私のサスケくんへの深い愛が…サスケくんの復讐に燃えた心を溶かし、恋に落ちたって言ってくれたけど…。
どこらへんを気に入ってくれてるんだろう?
不思議でしかたない。
やっぱり…私の性格なのかな?
聞いてみたいな…。
サスケくん、なんて答えてくれるかな…えへへっへ♪
サスケくんが帰ってきたら聞いてみよ〜っと♪
☆☆☆
私は、サスケくんが…どうして、あの当時、あそこまで荒れたのか…。
サスケくんが持つ一族への復讐心が…里を恨み、私たちに刀を向ける結果になったんだと。
そういうふうに受け止めてる。
当時は…理解できなかったけど、朝は毎朝、仏壇に手を合わせてる。
仏壇の前には、線香と花と…サスケくんの失った家族。
私には両親もいて。
ずっとサスケくんの苦しみに…気が付いてあげられなかった。
もっと前に…気が付いてあげられたら…何かが変わったのか。
それは分からない。
この辺いったい…広すぎることは分かる。
この辺いったい…人間が全員、里のせいで消えた。
周辺の道端に…墓だらけ…。
その悲しみは…私だからこそわかる。
当時、サスケくんの家の周りを…徘徊してた私だからこそ。
昔の私は内気で…サスケくんには、声も掛ける勇気はないけど…ここへ訪れては、向かいの"うちは饅頭"だけはせっせと買ってた。
ある日突然、道の前に"立ち入り禁止"の看板が出て、幼さゆえに深く追及はせず…
(サスケくん、引越ししたんだ)
それで終了してしまった。
この辺いったい全部が…サスケくんの一族の城とは…知らなかった。
サスケくんが入る屋敷だけ…サスケくんの家で…。
他は…饅頭屋はあるけど…どうなのかも不明だった。
幼すぎて…この町の異様さに気が付いてあげられなった。
看板を覗けばすぐ分かったのに…屋敷の周りをウロウロすることだけで精いっぱいで。
胸は満足して…他をする気になれなかった。
そのことに後悔をしてる。
私が、里でサスケくんの"居場所"になってあげれたらいいなと願う…。
私は、サスケくんを責める気にもなれない。
この家で暮らしてから余計だ。
サスケくんが刑期でいない一週間は…恐ろしいほどこの辺一帯は…広すぎる。
お化けが出そうで仕方ない。
私が…サスケくんの失った心を、埋めてあげれたら…と結婚してから更に願うようになった。
☆☆☆
「綱手様」
//サクラか…//
綱手様は書類と睨めっこ。
≪サクラ…遅いわよ。
早く手伝ってちょうだい≫
これはイノの声だ。
私には、今日もやらなきゃらない仕事が…たんまり。
「わかったわよ」
新しい薬の調合を試行錯誤してる。
私は、木ノ葉の平和に大きく貢献したい。
それから…サスケくんの居場所を守ってあげたい。
≪サクラ…。
サスケくんとはうまくいってる?≫
最近、毎朝…イノには聞かれる。
「うん。
サスケくん…優しいよ」
≪そう…≫
「早く、サスケくんの里での信頼が戻ればな…」
≪私からも全面協力するわよ。
今日はこの薬の材料リストを…混ぜる実験ね。
それから…この薬草は…木ノ葉にはないから…。
それとなしに…他の忍者に取って来てもらうように…依頼して…≫
「分かったわ。
イノ。
サンプルをとりあえず…調合してみる」
薬は調合の比率が命だ。
微々たる量が生死を分ける。
今日の薬は…弱ったときに…体力回復が願える薬。
病人が飲めば…気休めになれるはず。
しかし…何回も爆発してる。
これで合ってると思うけど…これでは危険物だ。
これを少しずつ微調整して…使える代物に変えていきたい。
それ以外にもたくさん…してる。
私は…私の夢は…。
サスケくんのお兄さんが、亡くなった病気に興味がある。
私は…サスケくんのお兄さんが元気であれば…サスケくんは…。
あんなことにはならなかったのじゃないかと…思い悩んでる。
何の病気だったのかは…サンプルも少ないし…ずっと、分からない。
ただ…サスケくんがその病気にならないことだけを祈ってる。
病気のせいで死んでいく人間が…木ノ葉からなくなり…。
それから…平和に力を注ぎたい。
≪サクラ、頼まれた花。
バケツに入れておいたわよ≫
「ありがとう…イノ。
じゃ、これ…。
代金ね」
≪預かったわ。
それから…サクラ。
私…もうすぐ、サイとゴールインよ。
祝儀は返してもらうわよ≫
「わかってるわ。
イノ、おめでとう」
サイともうすぐ結婚らしい…。
☆☆☆
サスケくんは、今日、遠い里みたい。
いつも…どこに行ってるのかは極秘任務だから、神出鬼没みたい。
最近、よくお土産買ってくれる。
本音はサスケくんと仕事したいけど…サスケくんが、自宅に留まってくれるだけでも…感謝すべき配慮だ。
私は…カカシ先生には、とても恩がある。
毎回、頼み込んでる。
医療班が終われば…立ち寄ることも多い。
「カカシ先生」
「サクラか…。
サスケとは…喧嘩してねえか?
どうだ?」
会う人会う人に同じことを聞かれる。
サスケくんは里で…まだまだ信用されてないのが…わたしに…伝わって来て、わたしは悲しくなる。
「もちろんです。
サスケくん、必死で…。
毎日、課題仕事ばかりで〜。
全然、かまってくれなくって」
「そおか…。
俺がたまには構ってやる。
アイツは課題に忙しいからな…」
「もすこし、新婚なのに…。
あそんでくれてもいいのに…。
サスケくん…」
「まあ、俺が代わりに説得する訳でもないが…。
アイツもアイツなりに忙しいんだろう…。
いつも遠方ばかり飛び回ってもらってるからな。
暇さえあれば…カグラの情報探しに精を出してもらってる」
「ちぇ〜〜」
「しかしだ。
アイツは最近、変わった、俺にもわかる。
目つきが優しくなったな…。
俺もサスケが羨ましい…独身の身は痛い…」
「え?
そうおもいます?
私、もう。
本当に頑張ってると思います!!!」
「そうだな。
ま、のろ気は要らん…」
カカシ先生は溜息を吐いて…小説を読み始めた。
何の小説かは…表紙が隠されていて…分からないけど…。
カカシ先生のことだから…自来也師匠は亡くなったけど…。
似たような傾向の作者の小説か…。
「カカシ先生…。
まさか…18禁小説を・…」
野暮なことを聞いちゃった。
意味が分かる歳だからこそ…少し戸惑ったかも…口にしてから。
「おまえも察するんだな…。
いい大人なんだから…」
「はーい」
今日も対談終わり。
これは…全部、サスケくんの居場所づくり斡旋目的だ。
全部…。
イノや綱手様やカカシ先生にしてることは。
これぐらいしか…私は出来ない。
いつも頼み込んでる。
☆☆☆
最後はナルトだ…。
ナルトがいる…仕事場に進む。
ナルトがいるのに…どうして…サスケくんだけこの里にいないのか…。
それは毎回、悲しくなるけど…。
私、家に帰れば会えるんだよ。
うれしくて。
それなのに…毎日じゃないのだけが…残念。
早くサスケくんの刑期が終わるように…毎日、みんなに圧力かけに行ってる。
「ナルト」
「何だってばよ!」
「あんたもサスケくんの減刑に協力しなさいよ」
「おうってばよ、サクラちゃん。
俺、サクラちゃんのために頑張るってばよ」
「それだけよ。
毎日でも言ってやるわ。
協力し損ねたら…チャンス見逃したら。
ただじゃすまないからね。
アンタは…ボコるからね」
私はナルトには何故か昔のノリになる。
「サクラちゃん、こわえってばよ…」
「ふんっ。
昔、私のこと好きでもないのに…。
私とサスケくんとの恋路を邪魔した罰よ」
「悪かったてばよ…私とサスケくんとの恋路を邪魔するつもりじゃなかったてばよ…本当だってばよ…。
俺、サクラちゃんのこと好きで構ってほしかっただけだったんだってばよ…」
「ふんっ…」
(あんたの好きは…ラーメンのように好きなんでしょ!
余計な迷惑よ!!)
「そういりゃ…サスケ、また帰って来たんだってばか・…?」
「そうよ」
「そっか…」
「じゃね」
「おうよ」
私はナルトをアッサリ部屋に捨てて…去った。
その途中、ヒナタとすれ違った。
||「サクラさん…サスケくんとは…そ、その…」||
「うまくいってるわ。
相談乗ってくれてありがとう」
||「よかったです…」||
「それじゃ、ナルトとゆっくりね」
||「サクラさん…」||
ヒナタの顔は真っ赤だ。
ナルトにはあまり興味ない…。
最近、特にサスケくん中心の生活になって来た。
だって…私たち夫婦なんだもの…。
キャーーーー。
ポ。
木ノ葉の里…忍者職場集合施設の外へ出た。
☆☆☆
そのあと…サイにもバッタリ会った、リーさんにも。
リーさんは木ノ葉の医療班や火影室などが密集する塔の外で…。
逆立ちして…歩いていた…。
リーさんはあの一件以来。
私とは挨拶だけで距離を置くようになった。
修行に専念と…弟子を育てるのに・・・必死みたい。
<サクラさん、良い空気ですね。
結婚しても、僕のこと忘れないでください
毎日楽しいです!青春です…。
弟子との猛烈修行するのが楽しくて…。
生き甲斐です!>
爽やかだ。
リーさん、本当…ガイ先生そっくりの師匠になりそう。
☆☆☆
サイには…。
底から少し離れた…塔の庭で会った。
多分…イノを待ち伏せしてるのだろう。
最近は…待ち伏せして…フラワーショップまで向かってるみたい。
+サスケくんとは大丈夫か?
君はいじめられて、泣いてないか?
それだけ心配だ。
第七班のメンバーとして…僕たちは君たちのことを知る権利がある…+
と私を見るなり、ウルサイ。
「サスケくんは優しいわよ、余計な心配しないで」
吐き捨てた。
いい加減、サスケくんのこと認めてもらいたい。
もうすぐ…イノとサイはくっつくらしい。
サイは…サスケくんを目の敵にしてる…。
理由は昔、イノが…サスケくんを慕ってたと聞いて以来だ…。
サイは『あんな男のどこが良いのか分からない、君もイノも相当…悪趣味だ』
と批判しまくってた。
最近ではイノのフラワーショップに頻繁にサイがいるから。
花を買ったら私は…すぐに去る。
イノに
≪空気読みなさいよ、サクラ≫
とズケッと睨まれてくるからだ。
私の帰りが遅いと…翌日、医療班でイノは怖い。
ハッキリ、文句言われる。
≪サイも嫌がってるのよ…。
サクラはサイを見たら…3秒で帰ってね?≫
とウルサイ…。
どうも…私はイノに目の敵にされてる節があるみたいで…。
サイのことで…。
イノは…私がサスケくんと引っ付いたことに…大賛成みたい。
☆☆☆
≪あんたも偉いわね。
私は昔はサスケくん、好きだったけど…。
今はサイ一筋になってしまったわ。
サスケくんの刑期はどれぐらいなの?≫
「何年でも私、待ちたい。
そう決めた」
私の声が…切なさから小さくなっていると…。
≪そう…。
私は…あんたのこと、見守ってるわ。
私、これからサイと夜のデートだから。
あんたもあまり遅くなる前に家に帰りなさいよ≫
この調子で…イノに、里抜けの道辺りで…いつも相談に乗ってもらえた。
私が里で…相談に乗ってもらえたのは…ナルトとサイと日向ぐらいのものだ。
☆☆☆
カカシ先生は…私とリーさんを斡旋してばかりで困ってた。
「サスケのことは諦めろ、俺からは言えんが…脈があるとも思えん。
おまえの手紙に返事もない」
宣告されたときは…私泣いた。
「俺が悪かった、泣くなサクラ。
おまえにはリーがいる」
「カカシ先生…嫌です。
私、サスケくんじゃなきゃ…」
毎日この調子だった…。
☆☆☆
それからサイは…
+君はナルトに捨てられたのか…そうか。
君みたいな女が結婚できるのか…僕は心配でたまらない。
君はガサツだからな+
と言われてた。
その台詞にも…イノは激怒してたらしい。
≪サクラ?
私のサイには…声を掛けないでくれる?
私たち、親友でしょ?
親友の恋路には協力するものよ?≫
イノの表情は引きつってた。
鬼の笑顔だ。
イノのアレは…嫉妬だ…絶対。
それからサイの言葉はお節介だ。
☆☆☆
でも…ものすごく、イノには相談に乗ってもらえた。
昔では考えられないくらい。
そのときもいつも
≪どうして、サクラだけがサイと同じ班で。
私は違うの?
サイに少しでも触ってみなさい?
どうなることか分かっているわね?≫
と本当に怖かった。
イノらしい…。
イノが、サイを大好きなのが…フラワーショップにいると伝わってくる。
サイは…満更でもないみたい。
私は…二人の恋のキューピットになれたはずだ。
ナルトと日向の恋もキューピッドになったけど…。
そのお蔭で…サスケくんの居場所づくりも…みんなに全面的に協力してもらえるのが嬉しい。
助け合いの精神で…この里では御恩と奉公が回ってる。
今日も…何とか、お花は買えた。
この頃は…医療班に持ってきてもらって…手渡されて…お金払ってる。
サイが来てる時…お店に私がいると…イノが翌日怖いから。
それからサスケくんの家に到着して…仏壇の花を交換する。
少し、しおれてたから。
サスケくんの亡き家族が…サスケくんが…少しでも癒されるように。
私は…助力してる。
私は…これから先もサスケくんの笑顔のために生きたい。
あまり笑ってくれないのは昔からだけど…『目が優しくなった』って…。
カカシ先生に言われて…わたしはうれしい…。
☆☆☆
あとがき
目次
サクラの深い愛