アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

……社RQターシャ泉の巫女F友達になって下さいと頼まれて?

ターシャ泉の巫女F




「巫女様って本当に綺麗……。見ていれば、クルクル光り方が変わって。 まるでオルゴールの中の妖精さんみたい。 えっと……。泉の巫女様には好きな方っていらっしゃいますか? 」
 
 突然だ。 自分のことは答えないのに。 そんなことを尋ねられても困る。 俺の発光が灰色から赤へと変わっていく……、確かに謎の生命体にしか見えないだろう。
 
 『私は神に仕える身。 神が好きです』
「そうですか。 泉の巫女様は……普段、どこで生活なされてるのですか?  いつ見てもミロのビーナスにそっくりなんですが……。 この頃、どんどん似て来てますね……。 それから、本当にその光り方が凄いですね。 もう異世界の人だっていう噂、信じてしまいそうです……。 絶世の美女ですね! 」
『…………』
 
 そうだろう。同感だ。 子供時代は……ミロのビーナス子供版って感じではあった。 それから……ここまで発光色がユラユラ揺れてる人間を……異世界の人と思われても仕方ない。 逆にやりやすい、仕事が。
 
 『……』
  「泉の巫女様は18歳までここで勤務を続けるのが村のならわしだって……。 お母さんから聞きました。 そのあとは…どこに行くのですか? 」
  『……』

 先代は……。 叔母さんがこの役で。 泉の神子ではあった……。18歳までだ。 その時に数名の男性陣とも会ってるだろう。 つまり……任期が終了すれば……。 次、月神家の第一子に当たる人間がまた……この役目を継ぐ。 毎年、いると言う訳でもないし……。 分家と本家の2人いた場合は…先に生まれた者がこの役目を受け継ぐ仕組みでもある。 この祟り収めの儀式。 サボるとどうなるのか謎だが。 今のところ、守ってる。 噂によれば……一度サボった人間がいたらしく……。 そいつは心臓発作で即日に亡くなり……。 村は一度、洪水になったとか言う神話はあるが……。 怖くてサボる気にもなれない。 命は惜しい。
 
 「答えて下さらないのですか?  私……泉の巫女様がこの役目から下りても付いていきたいです。 願い事も叶えてくれたことだってありますし……。 それに……。 個人的に友達になれたらなって」
  『……』
  「ダメですか?  えっと……」
  『もうすぐ開演時間です。 帰ってもらえますか? 』

 俺から出てる後光が赤から紫になり……深い水色で落ち着く……。 その時はもう忘れて欲しいと言う意味でもある。 というよりどうしてここまで慕われるのか……。 確かに、この姿の時は村人全員に神のように崇拝はされてる。 まるで神童とでも言わぬばかりの待遇ではある。 お布施だけではなくお供え物まで俺にする人間もいる。 勘違いはされてる。実際、特異体質であることは認めるが。
 
 「お願いします。 お友達になって下さい」

 マナナは水色制服姿のまま、俺の前で土下座をした。 マナナの若干、雨に濡れた肩揃えな黒髪から……床へ水滴が落ちた……。 テントの中だから外は雨だが……濡れはしないだろう。 放つ光が……深い水色から少し赤へなる。 昨日も大道芸人かというノリでしたが。 一度すればもう慣れたのか恥まで捨てて頼み込んでる。 悪い気はしないが。
 
 『……』
  「どんな命令でも従います。 私を神様の仲間に入れてください」

 こういう雰囲気で村人だけではなく世界から訪れる人間どもは本気で俺を神様と勘違いしてるヤツも多い。 この仕事、だんだん好きにはなってる。 まあ、この後光の七光変化も手伝って……神様だとでも思われてる。
 
 『……』
  「天国ってどんなとこなんですか?  神様の世界ってあるのですか?  泉の下には妖精の国があるのですか?  泉の妖精様。 巫女様、教えてください」

 こんな感じに変な力があるばかりに…勘違いされてることが多い。
 
 『私には分かりません。 私は神に仕える身で神ではございませんので』

 マナナはガクリと肩を落とした…肩揃えな黒髪が揺れた。―― 赤だったのが、黄色の光が俺にまとってる…まあ、神様に見えるかもしれない…。 少し、機嫌も治ってる。
 
 「死んだおばあちゃんは私を許してますか?  天国はありますか……。 私、おばあちゃんの死に目に会えなくて……。 それで……」

 去年、マナナのおばあちゃんは亡くなったらしい。 それは知ってる。
 
 『私には何もわかりません。 力を授けるしか能がございませんので』
  「そうですか……。 ごめんなさい、とりみだして……」

 マナナは涙を手で拭ってる。
 
 『……』
 
 まとわりつく光が黄色から深い水色へとなる……。 溜息を吐いた。 今日は溜息ばかりの日だ。 高校ではおまえは…キセキにベッタリだった癖に。 どうも塾の時間になって……マナナはキセキから引き離されたらしい。 こういうとき、どうすれば良いのか謎でもある。 実はこの仕事、割りと好きだ。――― 全員、自分に優しいし。 つかの間のモテ気分が味わえる。 きっとキセキも毎日がこうなんだろう……。 もうすぐやって来るお客様も、べた褒めしてくるに決まってる。優しくされて嫌がる人間もいないし、 神仏に身を捧げるに等しい……絵画の中の美女だからだ。 別に裸ではない。 何故かミロのビーナスに似てる。 見る人見る人に驚かれてる状態でもある。
 
 「あの……泉の巫女様の髪って……まるで光り輝くようですね。光り方によって……髪まで発光の仕方が変わるなんて。 触ってみても良いですか?  見たこともないレベルに光り輝いてて……キラキラで。 ずっと触りたいって思ってて。 お友達になれたら……」
 
 まあ、確かに髪の色も褒められまくってる。 星のように光り輝いてはいる…色も放つ光で変わる…今、赤い光になって…赤みのかかった金髪だろう。 ミロのビーナスより…。 動いてるぶん、綺麗なのかもしれない。 神がかり的には輝いてはいるが。
 
『……』
「ダメですか?  あの……。 ふわふわしてそうで…サラサラなのか?  猫のような手触りなのか……気になって」
  『……』

 俺は臥せ目がちだ。
 
 「あの……。 どうすれば……お友達になってもらえるんですか?  泉の巫女様って……本当に肌までランダムな色で発光してて。 夜道を歩けば……泉の巫女様のところだけ光ってるみたいで……。 普通の人間とはどう考えても思えないのですが……。 本当に……どういう仕組みなのですか?  あれは……。 中に懐中電灯か……何かを……?  それとも特殊なものを体に塗って光らせてるとか……」
  『……』

 ここまで細かく聞かれたのはマナナが初めてだが。 確かに常に光ってる。 特異体質だ。 まるで深海に光るクラゲの状態でもある。 体の中に光る色素があるのかもしれない……。 微細に光ってる。 夜道は特にそれがわかる。 部屋の中ですら、少し分かる。 お蔭で見る人見る人から崇拝される種にはなってる。
 
 「答えて下さらないのですね……。 私では友達として不足ですか? 」
  『そこまで汝が私の友達になりたい訳はなんなのですか?  私には分かりません…』
「泉の巫女様は私にとって神様そのものだからです。 村人たちだって、泉の巫女様を神様として崇拝してます。 私も同じです。 なってくれたら泣いて私は喜びます」

 マナナは顔を真っ赤にして、俺へ言い寄ってる。 少し狂気すら感じる。 熱狂的ファンなのは理解できるが。 キセキもマナナを目にしてる時、同じ気持ちなのか……?
 
 『私は残念ですがレズではございません。 ノーマルです。 あなたは好きな方の元へ走るべきです』

 あまりにも真っ赤な顔で詰め寄られると、困る。 俺は女でマナナは女。 神への崇拝も高まるとここまでになるものなのか?  ずっと何年も…子供時代からストーカーされてる状態だ。 たまに・・・手作りの菓子とか布施でくれるが…。 何か異常にも感じては来る。
 
「あっと……。 そういうわけでは……」

 マナナは肩ラインな黒髪を揺らして、肩を揺らし身をモジモジしてる……。水色セーラ服のスカート裾が揺れる。 黒目が微妙に動いて、潤んでる……。唇が小さく振動してる。 靴は履かず、マナナはここでは赤いスリッパを履いてる……。脚には白いソックスを履いてる。 何故か全身を観察してしまった……。違和感がある仕草だ。 と言うより……。 もう開演時間で、時刻は7時前だ。
 
 『今日も仕事なので……』
「隣で待っていても良いですか?  それとも邪魔でしょうか……帰った方が……」

 心が重い。 向こうの方から客が来てくれた。 助かった。

[ここかしら?  泉の巫女様がいるっていうテントは……。 まあ、本当に絵から飛び出してきたような……光る泉の妖精様……。 雑誌でもランダムに光り方まで変わるって書いてたわ……。本当に神秘的ね……。綺麗……]
 
 今日は女子大生くらいか?
 
 『御用は何でしょうか? 』
「あの……。もしかして私の友達に……。 えっと、今……泉の巫女様……」
  『黙って下さい。 仕事です』

 マナナに気が付かれたらしい。 俺の顔は熱くてたまらない。 少し変なことを考えてた、今……実は。
 
 [もうすぐ就活なので……。 どこか良い会社に決まるように力を授けてください]
『分かりました。 それでは目を閉じて』

 いつもは目を閉じろともいわない……。
 
 『それから手を差し出して…』

 女性は手を差し出してくれた。
   そこへ手を添えて、力を与えるように集中する。 集中が途切れたところで脱力する。

『目を開けてください』
  [何だか……。手があたたまった感覚ですわ。 麗しい泉の巫女様ありがとうございます。 勇気が沸きました]

 女性は微笑んでる。 この仕事、本当にだんだん好きでもある。
 
 『またお越しください』

 これも決まり文句だ。 女性は嬉しそうに崇拝と羨望のキラキラ目線をこちらへ向けて、去って行った。 ――俺から出てる光が赤から桃色になる……。絶え間なく光り方が変わることで、有名だ。 それが見たくて来る客も多い。 マナナは黙ってコチラを見詰めてる。
 
 「えと……私の勘違いなのでしょうか?  やっぱり友達なんて無理ですよね。 そっか……」
  『……』

 客は一人去った。 雨だから少ないとは思う、今日は。 本音は悪いが下心しかない。 キセキも同じ気持ちなのか?  しかし……。
 
 『私の仕事が終わるまで待って下さったら。 私と友達になる方法を教えても良いでしょう』
「え?  良いのですか?  嬉しい、泉の巫女様」

 マナナは喜んでる。

『それまで離れててください』
  「うん、うん……」

 隣でマナナは首を振ってる、肩ラインな黒髪が揺れる。 ――疲れてる。 癒しも必要だ。 クラスでもモテない。 今ぐらいしかモテ気分も味わえない。

 ☆☆☆ ☆☆☆

仕事を捌けば……。 今日は結局10名も来た。 まあ、上出来だろう。 意外に何故か疲れてる。 今日は学校でもつまらなかったからだろう。 キセキばかり女に言い寄られてモテまくり状態でもある。 諦めにも近い気持ちだが。 女子殆どキセキ狙いだ。 何なんだ、この埋まらない……格差は……。 勉強頑張ればモテると思ったのに……。 全然、楽しいわけもない。 マナナは俺が仕事が終われば……。 ニコニコしてる。
 
 「えっと……もうすぐですよね?  閉店時間。 9時ですから……。 本当に私の友達になってくれるのですか? 」
『……。 良いでしょう。 私の命令に従えるなら』

 少し、沈黙は続いたが。 まあ、キセキにも恨みはある。 モテすぎてる。 毎日、腹も立ってる。 クラスの女子全員がヤツの熱烈ファン状態でもある。 俺はクラスではミルルが好きと言う話が飛び交ってるが……。 全然、学校は楽しいわけもない。 それからマナナ。 性格が悪すぎる。 俺が少しぐらい懲らしめまくったところで罰など起きない筈だ。 どうせならとことん苛め倒すのも良いかもしれない。 だが。
 
「何なんですか?  命令って土下座ならしました。 えっと……出来ることならやります!」

どうせなら無理すぎる課題でも良いかもしれない。 友達になる気になれない。 マナナは性格が悪すぎることを俺は知ってるからだ。
 
 『私の唇にキスが出来たら。 まあ、無理でしょう。 要するに、あなたと私は友達になる気になれない。 それが私が出した回答です。 本気で気持ち悪いので帰って下さい。 他にも私の足を舐めろレベルの嫌な課題を与える気ではいました』
 
 正直に貶しまくった。 まあ、口で苛めるレベルで良い。 本気で仕事も疲れたし……自宅に帰りたい。 俺は背中を向けた。 帰ると言う意味だ。
 
 「泉の巫女様、それぐらいで私の友達になって下さるのですか? 」

 背中からマナナから掴まれて俺は固まった、というか停止した。 どこまでおまえは崇拝してる?  というか……このレベルですらそれぐらいと簡単に言えるレベルの神仏への崇拝なのか……。 ここはドン引きにもなった。
 
「今からします。 友達になって下さい」
  『私は帰ります、離れてください』

 マナナは俺の背中から抱擁して、突然、俺の生足を舐めた。 あまりのことに動けなくなった。
 
 『あの……』
  「あとキスですよね?  まあ、それぐらいなら世界各国では挨拶レベルですわ。 それだけで本当に天女様のお友達に……」
『先ほどのは悪すぎる冗談です。 ごめんなさい』

 さすがに謝った。 というか……背を向けたまま、動けなくなった。 どこまで崇拝されてるんだろう?  神への崇拝や愛も酷過ぎると変態の域だ……。 俺はビビってる、マナナにだ。
 
「今からしてもいいですか?  挨拶のキスを……」
  『……』

 俺は死んだ瞳だ。
 
 「そのあとに髪を触らせてください、このブロンドヘアーっていつも輝いてますがどういう仕組みなのですか? 」

 俺が死んだ瞳でマナナから見詰められて、マナナは俺へ背伸びして。 軽くキスしてくれた。 そのあと、勝手に俺の女体化で伸びた金髪を触りたくってる。 俺を泉の妖精と信じて疑わないらしい。 これでは……キセキやマナナへの嫌がらせには全くならなかった。―― というか読みは外れた。 嫌がってもらえるかと想像してたが……。 ここまで崇拝されてるとも気が付かなかった。 もうマナナは俺が友達になれたとでも勝手に勘違いしてニコニコだ。 俺はアホらしくなって突き放してた……。 俺は20畳はある俺の仕事場…高床式鉄筋屋根の赤いテントから出た。 マナナも慌てて……俺を追う。 首から掛かってた鍵付きネックレスで…テントのドアにロックする。 その間もコチラへ近寄ろうとマナナはうるさい、邪魔すぎる。
 
 「本当にこの髪、綺麗…いつも光り方まで違う……。さすが泉の下に暮らす妖精様! 女神様そのものだわ! 」
 『……』
 「あの……。サイン色紙貰えないでしょうか? よくCMにも出演してますよね? ”ターシャ祭”告知CMとかで……。」
 『……』
 「私達、もうお友達ですよね?? 」
 『……』

俺は鍵をかけ終わったら……。 泉の上に架かる……”関係者以外立入禁止区域”の白い橋を歩き始めた。 下にあるターシャ泉はさっきより水滴で揺れてる……。雨の影響でだ。 今日は小雨だ。 髪も濡れるが……。俺は夜にはクラゲのように発光する。 俺をまとう光が桃色からいつの間にか赤になってる……。七変化の光り方が売りだ。 暗い夜に俺だけ……赤く光ってるのが分かる……。 まあ、神様と勘違いされても仕方ないのかもしれないが……。
 







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誤字訂正も進んできました。




≪眼鏡ミルル≫


「異能マナナ」
…月神タリアの幼馴染


☆「王族レイカ」
…スピルチュアルの好きな女子大生

 
『月神タリア』 (女体化)

 
「灯台キセキ」
…タリアの親友

 
U難波カンサイU
…キセキを崇拝する女子

 
||大和ナデシコ||
…キセキを崇拝する女子



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