アナタノコトガスキデス

萌え妄想のまま走るいろいろ創作小説の予定。苦情無断転載禁止。

……社RQターシャ泉の巫女A(改)主人公の正体に気が付かないヒロイン。そして、熱烈に求愛を受ける。

ター シャ泉の巫女A






 返事はしない…。 毎日、多忙を極めてる。 学校では何とか上位をキープできてる。 俺は人並み以下の顔立ちな男だ。 きっと、"ターシャ泉の巫女"姿は普段と比べて、数段容姿が優れてるだろう。 あれは神がかり級な美貌でもある。 特異体質だ。  
 "ターシャ泉の巫女"姿へ変貌するために…美貌を全て奪われたと嘆くレベルに、俺は見た目に自信などない。 同じ高校へ通う親友の灯台キセキが羨ましすぎる。 もうホストへ行っとけよと皮肉を言いたくもなるが…。 キセキの隣で歩けば…女はだいたい、隣に立つキセキしか見ない。 もう長年、そんなノリだ。

『はあ……』

 しかし、ヤツはああ見えて真面目だ。 多分、そんなとこでバイトなどしないだろう。 キセキは、俺がターシャ泉で仕事をしてる時間に……塾へ通ってる…。 俺は、任務を下りられない宿命なのに。
 自分でもターシャ泉へ近づいて泉に映る自分の姿を眺めて…。 ギリシア神話級な姿だとは、子供時代に感じた。 お蔭で客は寄って来る。 大儲けにはなっている。
 誰もが村に降臨する泉の妖精と信じて疑わないからだ。 信じる者は救われる。 しかし……絵画より更に線が若干、細い。 あまり人間味が漂わないのが難点だ。 妖精には陰毛がないのか。 今、17歳に近いが……まだ女体姿の時、生理はない。 逆に助かってる。
 18歳で任期を迎える瞬間、最後まで起きないかもしれない。 女体化と言っても、元のDNAは男だ。 これも不完全変態に近いのかもしれない。 普通の女には興味ありまくる。 背だけが伸びて少女めいた体躯になってる…。 2次成長がないまま、男なのか女なのか判別不能なまま、サオ竹のように背が伸びた天女ではある。 自分が変貌する女体にも不満がある。 やはり元のDNAが男だから、幾らなんでも……完全に女へはなれないのか? 俺は女になって胸を揉みまくりたいと言うのに。 陰毛すらない、腋毛すらない。 全身毛すらない。 ちょっと幻滅してる。  
 マナナは嫌いだが。 女子大生や可愛い子が来たときは内心、喜んでる。 俺にも下心はもちろんある。 それを出さないように女言葉は使い分けてるが。 小さな楽しみにもなれてる。  

 二階の机で素に戻る。

『はあ……』

 溜息を吐けば幸せが逃げるらしい。 "ターシャ泉の巫女"仕事も……俺は16歳。 今年17歳になるが、誕生日は目前だ。 来年18歳には下ろされる 任期が18歳までと決まってる。

――――(最初は嫌がってたが。 不思議な感覚だ)――――

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 月曜日になる。 学校が好きではない。 成績が悪くないが。 楽しみなどないからだ。  昨日、必死で課題は終了した。
 登校すれば、クラスで…… 俺が昔から交流してる男――”灯台 キセキ”と視線合致する。 コイツも成績は悪くない。 そこはどうでも良いが。 コイツは遊び人風の容姿でもある。 しかし内面は普通だ。 でも上から目線だ、最近。
 大昔、幼稚園時代には……コイツ、女によく間違われて、多童児気味で泣いてた癖に…。 今は女からモテるから、生意気になって来てる…。 余裕のノリだ。 ムカつく。  
 ――長身な体躯の男子で、白い肌に茶髪と茶目だ。 キセキの茶髪は先天的な授かり物だ。 染めてる訳でもない。

「よう、タリア。今日こそ、ミルル落とせると良いな……」  

 キセキは……腹が立つが、コイツの方が容姿が優れてる。 女からモテてる。 俺は並み以下だろう。

≪無理に決まってるわ、ミルルはキセキさんが好きなんだから。月神さんなんて……いつもミルルの前で固まってばっかり情けない≫  

 ”眼鏡 ミルル”だ――――俺がクラスでミルルを慕ってる噂は、もう全員からネタにされてるらしい。 モデル系スレンダー長身。 茶髪ストレートロング。 眼鏡系インテリ女子だ。

  ||本当よね……もう小学時代から月神君ってミルル好きな癖に、声も掛けられないなんて。えっと……月神君とミルルって、幼稚園時代から親交があるんでしょ? どれだけ根暗なの? 月神君……||  

 ミルルの友達、”大和ナデシコ”だ。――――身長普通、体重普通、黒髪、前髪パッツンロング、純和風顔だ。

Uウチもさすがにコイツのこと、呆れてる。ミルルにアタックすらできひんの? こいつ。ウチはな、応援してるねんで! だって、一人……ライバルが減るやろ! 頑張れよ、月神くん! ミルル、好きやったら……男らしくアタックぐらいしろや!U  

――”難波カンサイ”。 ……転校生だ。 黒髪ツインテールで、声が高い超ロリ体型だ。
 ミルルもナデシコもカンサイも……女子三人とも、キセキにベッタリだ。 変わらぬ日常だ。

『キセキか…』  

 いつも通り、俺はキセキにだけ声を掛ける…。 灯台キセキは俺の幼馴染だ…。 一応、親友と言う認識だ、クラスでは…。 コイツは、ホストになれそうな雰囲気でもある。 巷で女子たちが王子様みたいだと噂してたのを聞いたことがある。 ハッキリ言えば楽しくはない。
 俺の親友、キセキは異常にモテすぎる男子で……。 この通り、毎朝……実に4名の女子からアタックされ続けてる。 お蔭で耳も痛くなるし、誰か一人に絞って欲しい。 それに反して、俺はモテた経験もない。 毎朝、声が甲高くて大変だ。 その……キセキを求める女子4名の中に、俺と幼馴染の女子……眼鏡ミルルと異能マナナも入って来てる。
  他の女子、大和ナデシコと難波カンサイからはオマケみたいなものだが。 4人ともキセキへの熱が狂犬的に凄い。

――会えばこんな感じで、ミルルのことを全員にカラかわれてる。 俺はクラスでも町内でも、眼鏡ミルルのファンだと流れてしまってるからだ。 嘆きようもない。 もう"ターシャ泉の女"で生きる方が最善か? と嘆くレベルに女体化してる瞬間だけ、俺は女神級に変貌する。 女性からも羨望の眼差しを送られ、慕われる。 しかし……まあ、オトコを好きになることは無理だ。 俺は女好きだ。 しかし、その女共ですら"ターシャ泉の巫女"の時だけ優しすぎる。 だいたい、俺の美貌を褒めてくる。 もう、あのまま一生あの役で良い気もするのも…本音だ。
 それも18歳にその能力は失われるらしい。 18歳越えたら、俺は18禁の店に通わないと女に無縁な運命なのかもしれない…。 少し自虐的になってた。  

『……』

 ドッカリと自分の机に座った。 この席は俺の陣地だ。 教室ではコンプレックスだらけだ。 今日もキセキを狙う女たちの多いこと…。 と言うか、誰も女子が俺を見てない。 視線を感じるが、男子ぐらいだ。 まあ、挨拶のノリだ。
 今日こそ、ミルルを落とせるか……男子ども懸けてるらしい。 俺は男子からも……[ミルルにアタックが出来なくて気弱だ]と……レッテルを張られてる。 ――――幼馴染なのに何だ? この格差は。

「キセキ! おはよう!」  

 俺が座ってる席から。 オカッパな黒髪に巨乳低身長なマナナが……茶眼茶髪長身男、キセキへ引っ付きに行ってる様子が伺える。 これも恒例だ。

「キセキ!  勉強、教えて。 私、成績悪くて。 数学解けなくて」  

 自分で解けばいい。 朝から学校では、青春ドラマが流れてる。 俺はモテないのに、親友のキセキはモテ街道まっしぐら最前線だ。

「おはよう、マナナ。仕方ないな。僕で良ければあとで教えるよ」
≪何言ってんの? この女? ミルル……ムカつく! 慣れ慣れし過ぎでしょ! キセキさん…? マナナにだけ甘いけど、これはどういう意味なの? ちゃんと説明してちょうだい≫
U確かに、ウチも嫌いやわU
||あたしを差し置いて、キセキ君に……||  

 キセキを崇拝する女子3名……ミルル、カンサイ、ナデシコが怒り出した。 ミルルの一人称は、昔から”ミルル”だ。
  モテ男―――キセキはこの通り、マナナへ一番……甘く、毎朝……宿題を丸写しにさせてる。 それを他の女子3名、ミルルとカンサイとナデシコが………楽しく思う訳もなく、今ではトリオを結成して……毎朝、宿敵のマナナと激闘を交わしてる。
 盛りの付いた猫状態だ。
 発情の猫が雌を巡って戦うアレの逆バージョンが毎日、行われてる。
 俺だけ放置されて……親友のキセキを巡って、女子4名は毎朝……アホらしい戦いをしてる。

「キセキ、優しい。大好き。不細工なタリアとは大違い過ぎる」  

 俺はマナナほど嫌いな人間はいない。 いつも……俺がターシャ泉付近で性転換をして、巫女様姿―――金 髪碧眼華奢女神に変貌してる時は……営業妨害ばかりだ。 クラスではこの通り、俺への誹謗中傷が 凄すぎる。  マナナは女子3人……ナデシコ、カンサイ、ミルルを避けて…茶髪茶眼、長 身体躯なモテ男―――キセキへ接近しに行って る……。  
 キセキは……連日が青春日記だ。 醜い、興醒めする。 一人、教科書でも黙読する。 次の時間、テストがあるからだ。

「ちょっと、その前にタリアに返さなければならないものがあって…。前、借りた本返すから…マナナ、待ってくれないかな? ミルル、君は…タリアの方へ行くべきだ。君がこっちに来ると…僕はタリアに恨まれる。 タリアはもう小学生の頃から……ミルルが大好きだからだ…」  

 学ラン姿なキセキは茶目を潤ませて…自分 の茶髪をボリボリと手で掻きむしった。
 ミルルは……顔に掛けた眼鏡を光らせ、長い腰まで伸びた茶髪を手で払い……フンっと横を向いた。

≪月神さんより……ミルルはどうしても、キセキさんが好きなの! マナナ、あっちへ行きなさいよ!≫
 Uほんま、月神くんも……ミルルが好き でコッチばっかり、今も見てる癖に。いざ、ミルル見たら……いつも知らん顔して。ウチはマナナ大嫌いやで。はよ、ミルルを落としてくれよ。ライバルとかウチ、要らんから…U  

 低身長ロリ体型なカンサイは、首を揺らし……黒髪ツインテールをピョンピョン動かしてる。

||月神君ね。確かに、ミルルの方ばかり見てる。今もコッチ、見てるわ。月神君が、ミルル大好きなのって……有名な噂よね?||  

 ナデシコは、長い黒髪を真剣に見つめて……手で触ってる。 ――――どうやら、枝毛を探してるらしい。  
 もうこの通り、俺に関することはミルルへもバレてる。 その域だ。 俺がミルルを好きだと言う話は……町内中、学校も飛び越えて、噂に なってる。 理由は、ミルルが有名人で……TVのCMにまで流れたり、子役時代からドラマで活躍する級の芸能人だからだ。 全員から高嶺の花だとからかわれ、賭け事の対象にされていたりする。しかし ……それももう、慣れてる。

「タリアなんてほっときなさいよ、キセキ! あんなヤツ。タリアみたいな不細工、私……大嫌い」  

 マナナは肩揃えな黒髪を動かし、顰め面 になる。  マナナの突き出た胸が少し揺れる。  ――本当にマナナは口が悪い。 人が一番、気にしてることを。
 確かに、俺は残念なことに顔面偏差値が底辺だ。 しかし、努力で成績だけは上位だと言うのに。 殺意すら芽生えてくる。

  「マナナ、言い過ぎだって。アイツ、不細工とは僕思わない。タリアは僕の大切な親友だ。幼稚園時代からの唯一無二な存在だ。それは、君も僕にとっては友達に近い存在だが……」


 

 



 










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☆管理人的考察☆

分割しました。
お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが……。
一応、このページの上方に……小説のあらすじも載せてます。
文章に関しては以前よりはマシになった気もするんですが。
現在の最大問題点はストーリーですね。

少しやはり幾ら序盤は険悪と言えども、雰囲気が暗いかな?と感じるので……少しずつ、ギャグ要素が入れられたらなあと願います。
初期話は色々、思い返すことが多いですね。

語彙力が今より更になかったので、よく……類語辞典は引いてました。










登場人物など


≪眼鏡ミルル≫


「異能マナナ」
…月神タリアの幼馴染

☆「王族レイカ」
…スピルチュアルの好きな女子大生

 
『月神タリア』 (女体化)

 
「灯台キセキ」
…タリアの親友

 
U難波カンサイU
…キセキを崇拝する女子

 
||大和ナデシコ||
…キセキを崇拝する女子





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